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56 祝賀会

 イベントも無事に終了した。軍団員全員最高報酬ゲットして上々の出来だな。


 今回のイベントはさして回復課金もせずに終わらす事が出来て、懐も温かい。ここは1つ、ご褒美として課金ガチャ祭りでも…… 電話か。


「ワテクシだ。要件を聞こう」


「ゴ○ゴかっ! おやびん(兄弟)、ふざけてないでとっとと来い」


「なんだマスター(兄弟)? 抗争(出入り)か?」


「んなわきゃねぇだろっつの。お前さんトコのおチビさん達、いるだろ? 来てんぞ? ちゃんと保護者同伴で来やがれ! ここは託児所じゃねぇんだぞ!」


「託児所ってお前なぁ、あいつ等あれでも成人してんだからな。勝手に飲ませとけば良かろうよ?」


「おやびん呼べってうるせぇんだよ!」


「めんどくせーなぁ…… 死んだって言っとけばいいんじゃねぇのか?」


「その面倒事を俺に押し付けるんじやねぇ。いいからさっさと来い。来ないと溜まったツケがどうなるか……」


「わかった行く。2秒で行く」


 まったく…… 何をしてるんだあいつ等は…… おちおちガチャも引けやしねぇ。


 んなわけで兄弟の店に到着したわけたが。


マスター(兄弟)。来たぞ」


「遅ぇよ、ったく。ほら、奥のボックスだ。なんか1人増殖してるぞ」


「増殖って…… まさか優も来てんのか?」


 恐る恐る足を向けてみれば――――


「……おやびんキター」


「おっやびーん! 飲んでるよーん」


「は、はじめましておやびんさんっ!」


 したたかに酔っ払った娘が3人。日向に小夜……はわかるが、この娘が優だな。ショートカットの可愛い娘だな。


「おう、お前等なぁ、ここはワテクシの心のオアシスなんだからな、荒らすんじゃないよ。んで、君が優だな? はじめましてってのもまぁ変な話しだが、改めて宜しくな」


「は、はいっ! 宜しくお願い致します!」


「固ぇ! 固ぇよ優! おやびんにはもっとザックバランに接するんだ! ほら、ムニィ」


おい(ほい)! 日向(ひにゃた)! ほっぺた(ヒョっぺた)をつねるにゃ!」


「……こっちもムニィ」


痛い痛い(ひひゃいひひゃい)! ダブル(ひゃぶる)でつねるにゃ!」


「「ムニムニムニィ〜」」


「だぁぁあ! やめんかっ! この酔っ払いどもめ!」


「なんだよぉ〜、イベントの祝賀会じゃんかよぉ~、楽しもうぜぇ」


「……楽しもうぜぇ~」


「だ、ダメだこいつ等、完全に酔っ払ってるな!」


「す、すいませんおやびんさん、僕がもっとセーブさせておけば……」


「あん? いやいや、こいつ等だってもう立派な大人だからな。優のせいじゃないさ」


「……むう。優だけ優しい。贔屓、贔屓」


「当たり前だ。ワテクシはこういう素直な娘が好きなの。断然贔屓するね。もまいら酔っ払いとは違うの」


「ん? おやびんなんか勘違いしてないか?」


「は? 勘違い? 何がだ? ワテクシは優みたいに大人しくて素直でかわいい女の子を贔屓するって言っているのだ」


「やっぱり……」


「……そんな気はしてた」


「なんだなんだ? 何が言いたい?」


「あのなぁおやびん、落ち着いて聞けよ?」


「だからなんだよ? さっさと言わんかい」


「……優は男性。女性じゃないんだよ」


「は?」


 男性? この娘が? 今も顔真っ赤にしてモジモジしてるこの娘が? ありえんありえん。


「お前等なぁ、嘘をつくにしてももうちょいとまともな嘘があるだろう? こんなん言われたら優だって困るだろうが。なぁ、優。お前からも言ってやれ」


「あ、あのぼ、僕は」


「そうだ! ガツーンと言ってやれ!」


「お、男……です」


「ファッ!?」

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