35 寒い
「寒い〜寒い〜」
「確かに今日は冷えるな」
「……コタツから出れない」
なにやら大寒波到来とかで寒くてたまらんのだ。
「何を隠そうこのおやびん、寒いのは苦手だ」
「夏の方が好きなんだな、アタシもだよ」
「いや、暑いのも苦手だ」
「……じゃあ春」
「花粉のシーズンは杉という杉をナパームで焼き払いたくなる」
「四季のうち3つアウトって難儀な身体してんな」
「おかげで指先がかじかんでポチポチに力が入らん」
「そんなんじゃ軍バト負けちまうぞ?」
「チミ達がおるではないか」
「まったくしょうがねぇ軍団長様だなぁ」
なんやかやで日向と小夜もすっかり強者と言って良いレベルまで到達している。それもこれもワテクシの英才教育の賜物だろう。軍バトもほとんど任せていて問題無いぐらいだ。余りの戦力差がある場合は、このポチポチ阿修羅も参戦するけどな。
「……今日も勝利。やったぁ」
「楽勝だったな」
「ホイホイご苦労さん」
「……そろそろお風呂」
「そかそか、小夜はどこから洗う派だ?」
「……頭」
「ふむ、頭か。次は?」
「……身体」
「もうちょい具体的に」
「……おっぱい?」
「うへ、うへへへ、おっぱい」
「おっぱい言わせたいだけじゃねぇか。小夜もいちいち付き合わなくていいんだぞ」
「……うん。いってくる」
「おう、ゆっくり温まってこい。湯冷めしないうちに寝ろよー」
「……はーい」
「因みに日向はどこから洗う派だ?」
「いやもういいだろソレw」
安定のセクハラコメントに今日も1日を終えようとしていのだが。
「おやびん殿ぉ!!」
「うあ! この暑苦しい台詞まわし! さてはぬんぺーたんだな!」
「いかにも! 夜分に失礼しますぞ」
「んで、何の用かね?」
「拙者と是非お手合わせを願いたく」
「ん? 構わんよ? カモーンヌ」
「では失礼して」
「ゲゲッ!? 負けた!? このワテクシが!?」
「いかがですかな? 我がデッキは? 無骨ながらも計略のレベルを上げてみましたぞ」
「さてはあえての混乱、挑発盛り盛りか!?」
「さすがおやびん殿、正解ですぞ。発動次第ではこの様におやびん殿の強者相手にも戦えますぞ!」
「いやぁ確かになぁ、でもこれギャンブル要素高くない? 発動してもスカる事もあるでしょ?」
「そこは確かに。しかし混乱、挑発をトレードで買い漁りましたゆえ、レベルの高さでなんとかなりますぞ」
実際ワテクシも負けてるしな、考え方次第では有りなのかも知れない。何よりゲーム性が高くなる分、面白みって部分では良いデッキといえるだろう。
「やっぱり計略は面白いな。これなら無課金さんでも普通にワンチャンあるもんな」
「さすがおやびん殿、良い所に気付きますな。我が【麒麟】軍団は無課金者や微課金者で構成しておりますからな、上位と渡り合うには頭を使わなければなりませぬゆえ」
「こりゃ廃課金者代表としてはうかうかしてられんな。とりあえずぬんぺーたんが泣くまで毎日ぬっ殺しにいく」
「なんとぉ〜っ!!」
今日も今日とて、暑苦しいぬんぺーたんでした。