2 課金開始
最高レアリティを引き当てるも、コストの都合でまさかまさかの使用不可。涙なしには語れない。
こうなると目標は至極単純。兎にも角にもレベルアップしてポイントを大量ゲッツを目指す。
経験値稼ぎは任務と言うものがあり、そいつを任務コストを消費してポチポチ進める、ルーチンワーク以上でも以下でもない。序盤の低レベル帯は任務コストが無くなる頃に調度レベルアップする。レベルアップ時に任務、攻撃、防御コストは全回復するので、そのまま続けてポチポチ……
そんな調子で進めて、ある程度レベルアップすれば、さすがに任務コスト全消費しても、レベルアップに届かなくなってしまった。
消費したコストは任務コストは3分に1ポイント自然回復する。攻撃、防御コストは1分に1なのだが。
仕方が無いのでアホ面さらして待つわけなのだが、その待ち時間に事は起きた。
他プレイヤーに攻撃されていて負けていたのである。
華々しいデビュー戦はレベル上げに必死こいてポチポチしてる間に、既に負けていたのである。
もっとも、とりあえず攻撃だろと極振りしていたので、防御デッキはヨワヨワだったのも否めないが、それにしても悔しいもんである。
さっそく仕返ししてやろうと相手に凸る。こちらの攻撃コストは相手の防御コストを上回る。貰ったぜ!と鼻息荒く凸るも惨敗。ある程度レベルを上げ、最高レアリティカードを乗せて挑んだのにだ。
しかしそれこそが失敗だったのだ。確かに最高レアリティカードはデッキに乗った。しかしそのせいで攻撃デッキのコストを圧迫してMAXデッキに出来ず、逆に総合力が低くなってしまっていたのである。も少しコストの低いカードで10枚乗せた方が強かった。尚且つ、最高レアリティカードはカードのレベル上げが大変で、その実力を発揮出来てもいない。
そこで考えを改める。最低レアリティのNを上限までレベル上げして、デッキを組む。
これは結構ハマって、どんどん勝ち星を上げる結果となる。他の大体のユーザーも、ワテクシと同じ様にR辺りのカードをデッキに組み、それ故に総合力が低くなっているのだ。そこに気付く者とそうでない者とに分かれるような戦況になっていた。
ワテクシが最初に惨敗を喫した相手も、早々にそこに気付いて、Nデッキを組んでいたのだろう。
問題はここからである。そうは言ってもNは所詮N。直ぐにこんなデッキでは破綻するだろう。何よりドングリの背っ比べみたいなこの状態から脱して、更なる極みへと到達したいのだ。
ごめんウソでつ。そんな崇高な思いはありまてん。強いデッキを見せびらかしてドヤりたい! おやびんさん凄いっすねー! さすがですねー! って言われたいの!
クズでごめん!
その為にはやはりコスト上限を上げまくる必要がある。任務ポチでレベル上げだな。だがしかし、前述した様に自然回復には時間が掛かる。
じゃあどうする?
そう! 回復アイテムの出番だ。このゲームには任務回復酒、攻防回復酒、全回復酒と言うアイテムがある。任務酒は任務コストを、攻防酒は攻防コストを、全酒は任務、攻防コストを完全回復するナイスアイテムだ。
登録した時にサービスで各々数個プレゼントされているを早速使用する。アイテムは偉大です。これでガンガン任務を進める事が出来ます。
なんて都合よくもありません。そりゃ消耗品ですからね、使やぁなくなるってもんで、運営から貰った分なんぞ一瞬でトロけまんがな。
じゃあどうする?
ゲームのマイページ上にしっかり、そして神々しくその存在を主張するソイツ……
ショップである。ここでは各種アイテムがお値打ち価格で取り揃えられている。
任務酒――――1個100円でまとめ買いだと何個かお得になる。
おやびんはポチっていた。そこに買わないと言う選択肢は無かった。いや、気付いたらもう購入していたと言った方が正解だろう。
おやびんは歓喜した。よだれと鼻水をまき散らし、ウヒャヒャヒャヒャと気色悪い笑い声と共に任務ポチポチマッスィーンと化したのである。
回復アイテムに溶ける諭吉なぞ、この時のおやびんにはさして問題ではなかった。
お陰さまでみるみるレベルは上がり、任務、攻防コストも順調に上がってゆく。詳しくチェックした訳では無いのだが、多分この時点でのレベルはユーザーの中でもトップクラスだったと思う。
そして待望のアイツがデッキへと改めて実装される。【REX改司馬懿】である。カードレベルもマックスまで上げたコイツはワテクシの司令官カードとして、マイページに悠々と鎮座する。
この司令官カードと、頭1つ抜け出たコストにより、ワテクシに攻撃を仕掛けてくる人はほぼ居なくなった。
上位プレイヤーでも二の足を踏む感じにワテクシはもちろんドヤった。
ハッハッハッ! 見たまえ! 他ユーザーのデッキなぞゴミの様だ! ハッハッハッ!
クズでごめん。