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はっじまっるおー

今ならまだ間に合うぞ? 


引き返すなら今だぞ?


時間無駄にするぞ?


ほんとにだいじぶか?

 これはとあるプラットフォームの、とあるソシャゲに廃課金したワテクシ、おやびんの物語である。


 ワテクシおやびんはとあるプラットフォーム…… いや、あえて言おう。出会い系サイトである。

 サイト名は避けさせて貰うが、まぁ大御所と言って良いだろう。そこに登録していたのである。


 そのサイトはたかだか出会い系のクセに何をトチ狂ったのか、日記やらつぶやきやらの機能を実装して、ユーザー同士の交流を深める作戦に出たのである。


 で、これが中々に面白かった。


 そもそも出会い系サイトに登録する人間なんざ、どっかしらおかしな奴らばっかりな上、そのサイトの性質上、下ネタ日記でも全然お構いなしなのだ。


 その内、気の合う連中も現れ、日夜しょーもないアホコメではしゃぐ日々が訪れていた。


 そんな中、運営さんは更なる迷走を始めたのだ。


 ソシャゲの実装である。


 実装直後のワテクシは、まったくのスルーだった。いや、別にゲームが嫌いな訳では無い、むしろ大好きと言える。ゆえに、携帯の小さな画面でチマチマやる事に抵抗があったのだ。


 しかしある日、日記仲間からお誘いのメールが届く。よくある、友達を招待してゲームに登録してもらえたらご褒美が貰えるってやつで、その仲間は褒美欲しさに俺……間違いた、ワテクシを誘ったのだ。


 登録だけしてくれれば、別にプレイせんでもいいから。そんな彼女のお誘いに、下心マンチクリンで乗ってやる事にした。


 とりあえずチュートリアル終了までやらんと登録扱いにはならんらしい。ブツブツ言いながらも進めていくと、これまでソシャゲを忌避していたワテクシだったが、ちょっとでも始めてしまうと、そこはそれ、身体に流れる熱きゲーマー魂に火が付くもので、いっちょやってみるか! なんて気分になってしまった。


 間違いの始まりである。


 このゲームは三国志を題材にしたカードゲームで、【魏】【呉】【蜀】から好きな勢力を選び、自分の選んだ勢力のカードでデッキを組めば、ちょいとしたステータスボーナスが貰える。ちょいとしたもんなので、ぶっちゃけそこまで拘る必要もないのだが。因みに三代勢力の他に、【他】と言う勢力もある。


 ワテクシおやびんが選んだのは【魏】


 特に理由はない。正直、三国志なんて無双しちゃう感じのゲームの片寄った知識しかない。どっかの軍師がサンコンの霊でしかワテクシを雇えまてんとか、わけのわからん寝言をほざいてたっけかな…… くらいなもんだ。


 んで、チュートリアルも無事終了させて、いざ始めるわけだが、まずはガチャである。登録記念で一回だけ課金ガチャが無料で出切るのだ。(昨今のソシャゲと違い当時のゲームは結構サービスがショボい)


 そこで第二の間違いが起こる。


 ふおおおおお! ほとばしれワテクシのゴッドハンド! ワテクシの右手に宿りし悪魔の力よ! 今こそ力を解き放つのだぁぁぁぁ!!


 もはや神なのか悪魔なのかわかったもんじゃないのだが、例に漏れず厨二病を大爆発させながらガチャを引くと……


 ビカビカビカーンッ!!


 眩い演出と共に現れたのは、最高レアリティ【REX改(レアイーエックスカイ)】だったのだ。


 しかも【魏】で司馬懿でかっこいいではありませんか!


 ワテクシ思ったね、へっ! チョロいぜ!


 ここでレアリティの説明をしましょう。


 (ノーマル)


 N改(ノーマルカイ)


 (レア)


 R改(レアカイ)


 REX(レアイーエックス)


 REX改(レアイーエックスカイ)


 の、六種類。リリース当初だと、Rが一般的な主戦力で、そのステータスに一喜一憂するレベル。


 カードには攻撃値、防御値とコストが設定されていて、当然高い方が強い。カードにレベルも存在していて、NでMAX20。N改で30と、レアリティが上がる都度にMAX値が10づつ上がり、レベルを上げる毎に数値も上昇していく。


 そこにきて最高レアリティなのだ、圧倒的な戦力を手に入れた事になる。


 次にデッキとバトルの説明。まず攻撃デッキ、防御デッキとあり、攻撃デッキに最高10枚セットでき、同様に防御デッキにも10枚セット出来る。


 手持ちカードの中でより高い数値になるようにセットして戦う。勝敗の付け方は至ってシンプルで、相手に対して攻撃を仕掛けたユーザーが攻撃デッキを使用し、仕掛けられたユーザーは防御デッキを使用する。


 そしてより総合数値の高い方が勝者となる。要するに、攻撃側の攻撃力が100だったとして、防御側が50だったら攻撃側の勝利となる。


 注意点は、必ずしも最大戦力で戦える訳では無いと言う事だ。カードの数値とは別に、ユーザーのステータスもある。任務コスト、攻撃コスト、防御コストの3種類。


 任務コスト ゲーム上のストーリー等を進める、言わば体力である。


 攻撃コスト デッキにセット出来るコスト最大値でもあり、攻撃するたびにセットした分のコストを消費する。


 防御コスト 同じく、セット出来るコストの最大値。攻撃される度にセットしたコスト分消費する。


 このコスト以内でデッキは設定しなければいけない為、ユーザーステータスの低い序盤では、MAXデッキもまともに組めない状況である。


 ユーザーステータスは任務を進めると経験値が貰え、一定数でレベルアップしてポイントが貰え、そのポイントを任務、攻撃、防御のどれかに好きに割り振る。ユーザーの癖みたいなものも現れるだろう。


 ワテクシおやびんはとりあえず攻撃コストに極振りした。その理由は簡単。折角手に入れたカードがコストが高過ぎてセット出来なかったのだ。


 最高レアリティをゲットするもいきなりタンスの肥やしとなる怒涛の出だし!


 喜びから一転半泣きとなったおやびん! どーする!? むしろどーなる!? 


   

ほんとに読んだの?


アンタいいヤツだな!


ちゅうしてやろうか?

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