衝撃は突然に
世界は不平等だ。
人生、誰でも一度は思ったことがあるのではないだろうか。私もそう思ったことのある有象無象の独りである。
ある人は
「努力すれば報われる」
という。
またある人は
「この世は金が全てである」
という。
そして私は
「生きるとは、幸せとは何なのか」
と誰かに問う。
なぜ生きているのか、なぜ生きるのか考えたことがあるだろうか。よく、幸せになるためと誰かは言うが、私はそうは思わない。私が思うのは、死が恐怖であるから。ただ、人間という種の本能がそう告げているからだ。
異論など認めない。認めてしまったら、私は生きていけない気がするから。
高校三年生の夏、親友の由紀と二人で海に行った。海を眺めながらおしゃれなカフェでご飯を食べて、砂浜で写真を撮ってSNSに投稿して、ブルーアワーに花開く、打ち上げ花火を体操座りで肩を寄せ合いながら眺めて、電車で爆睡した親友の顔を撮って、一人でクスッと笑って、そして気がついたら部屋で寝てた。
その出来事ではなく、親友そのものが私の幸せの象徴なのだと思った。
夏休みも終わる頃、いつものように由紀と二人で街を歩いていた。日もだんだん落ちてきて、そろそろお開きにしようとしていた。
「あのさ……叶」
「どした?」
「私、引っ越すんだ。」
「え…?」
突然のことすぎて、理解が追いつかなかった。
自分の心臓の鼓動がよく聞こえる。何を言ったらいいのか、どうすればいいのか何も思い浮かばなかった。
「ごめん……。」
苦しそうな笑顔と口を紡いで今にも泣きそうなのを我慢している姿を見て、これは何かの夢だと自分に言い聞かせた。
なんじゃこりゃと思ったかもしれませんが笑
こっからは作りあげていきたいなと思っておりますので!
見守っていただければなと思います。