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  作者: りーゆ
第一話 りーゆ
5/77

積み木:りーゆ

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私に最近、新しい趣味が出来た。

古い段ボールを片付けていたら見つけたんだけど、まだ新品の積み木。


ひとつずつ、積み木を集めて上に重ねていく。

沢山のせるのは、うっかりくずさないように神経をつかうけれど、積み上がる塊は壮観だ。


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積み木のおもちゃが、手放せなくて自分の過眠症状すら忘れていた。

野菜や果物の名前が描いてあるから、やおやさんみたいで、なんだかおままごとという感じ。


いらっしゃい。

安売りだよ、なんてね。

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最近、家に帰るたびに、積み木をしてる……

うん。健全かな。


部室棟の鍵は、まだ見つからないんだって。

妻源さんが、チョコレートをくれた。

知り合いの店で売れ残りで安くなってたから、みんなにあげてるらしい。あとで食べよう。


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心のなかで、あいつを

烈火と名付けた。

レッカ君。


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家で積み木で遊んでるところに、のら猫が来た。どっから入ったんだろう……

鍵開けてたかもしれない。

積み木を崩したそうだった。


だめだよ。せっかく集めたんだから。


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烈火が、またミナミと騒いでる……


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積み木が崩されないように、丁寧に接着する夢を見た。夢で良かった。

のせる順番を変えたり、全部片付けたりできなくなるもんね。


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みーくんに会いたい。

同じくらいに、睡魔がくる。

どうしたんだろう。


夢に出てくるくらい好きなのに。


みーくんが、私を忘れていくかもしれないと考えたら怖い。

でも、気がついたら眠っている。


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みーくん、みーくん、

城伊井くん。

朝練くらいの時間なら、学校あいてるよね。

はやくから学校に行って、いつ来てもいいようにしようかな。

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また寝過ごした……

どうしてこんなに、眠いのだろう。


少し遅れて学校に来たらミナミに、

ぼくの冬休みってゲームの早送りの動画を見せられた。TASっていうらしい。

主人公が、寝て、起きて、一日を浪費する様子を繰り返す画面。

なにが言いたいのよ、ミナミ。


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怠惰な人間になってしまいそう。

みーくんに、避けられてるし、ミナミと歩いているのを見てしまった。


あの動画みたいになってる私を、やっぱり笑ってたんだ。


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眠らないうちに、朝御飯を用意して眠りについたんだけど、すっかりお昼ご飯。

積み木をする。

積み木をする。

積み木をする。


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休みの日は、寝て起きて、寝てしまう。

目覚まし時計を何度もかけた。

自己嫌悪した。

積み木をする。



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私が外に出ようとするタイミングでいつもミナミが出掛けてくる。

近所なんかやだな。


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