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赤い花の館
この作品は、「変身企画」参加作品へのアンサーストーリーです。
207字
表記修正しました
「その花はやめておきなよ」
線の細い茶髪の青年が、園芸店で声をかける。寄り添う金髪の女性は新妻であろうか。不思議そうな顔で青年に問う。
「何故?」
「遠い異国の小さな街で、恐ろしい魔物が目印にしたそうだよ」
「目印?」
「この花が咲く館で頻繁に人が襲われたそうだ」
「あら、そう?」
若い妻は、蒼い瞳を美しく煌めかせて、夢見るように答える。
「でも、とても綺麗だわ。もしかしたら魔物も、この赤いお花を観ていただけかも知れないわね」
お読み下さりありがとうございました
原作はこちら。
こまの柚里 作『花の名前』
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