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渦を逃れる
この作品は「螺旋企画」参加作品へのアンサーストーリーです。
219字
テレビで映画の広告が流れている。名画の秘密を題材にした、荒唐無稽な作品だ。
「この絵の渦は鼻に向かっているのよね。作者、美人に恨みでもあんのかしら」
遊びに来ていた彼女が、そう言って指をぐるぐるしながら近づけ、俺の鼻を焼き鳥臭い指先で潰す。
「ぶひー」
「なんだよ、やめろよ」
彼女はアハハと笑って、卓上コンロから熱燗を取る。そして、渦巻き柄のぐい呑みを突き出す。
なんだか渦に引き込まれそうになる。逃れるように乗り出して、彼女の鼻をつまんでやった。
原作はこちら。
石江京子 作『螺旋をとく』
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