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桜一枝
この作品は「螺旋企画」参加作品へのアンサーストーリーです。
212字
卒業の日、子供たちは、師に、友に、学舎に、感謝を捧げて巣立って行く。
今年で定年を迎えた老教師が、地味な生徒達に囲まれている。派手な生徒は人気教師と笑い声をあげ、ませた生徒は泣き顔を見せる。
今日は生憎朝から不安定な空模様だ。私の元へ来る生徒はいない。例年の事だ。向かないとは思うが、転職する勇気もない。
帰り道、物静かな女性が、すれ違い様に桜の小枝をくれた。
「すみません。そこで拾ったのだけど、何故かお渡ししたくなってしまって」
原作はこちら。
やまだのぼる 作『冬の蛾』
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