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門出の夜
この作品は、「螺旋企画」参加作品へのアンサーストーリーです。
203字
薄紅色の花弁が螺旋を描いて舞っている。春爛漫の花霞が、人気のない校舎にかかっている。夜風が運ぶ青いような苦いような、桜の放つ独特の香りが、古ぼけた螺旋階段を駆けてゆく。
月には雲がかかっている。欠けた所を補うように、桜の花弁は雲を目指して渦巻き昇る。
今日散る花の、明日咲く花の、沢山の、沢山の想いを乗せて。渦巻き巡る幾多の心が、今日旅立った子供達の想い出が。月光を泳ぐ薄紅鰯の群れとなり、月の光に消えてゆく。
原作はこちら。
猫じゃらし 作『見上げる君の背』
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