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囚われ人へ花束を
「移動企画」参加作品へのアンサーストーリーです
陽の射さぬ地面の下。崩れかけた石段を延々と下り行く。その底へ。威厳のある古城は北側の壁に沿って羊歯や鈴蘭が生えていた。石壁の隙間から生えるキノコには猛毒も混じる。地下へと漏れ来る雨水は、いかつい鎖に繋がれた人の渇きを嘲笑う。
何故そこにいるのかさえ思い出せない時が過ぎる。昼と夜とが分かたれぬ冷たい闇に突然響く靴音は、囚われ人の眼を微かに開く。
ぱさり。
華やかな香りがじめじめした牢に満ちる。その色を見るには、ここは暗すぎる。
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原作はこちら
詩集
毒草の空間移動
作者:陸 なるみ
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