貴族の青年達は…。
「子供ができたかもしれないから、結婚が早まるかもしれない。」
「…結婚するのは、婚約者の子爵令嬢か?」
「当たり前だろ?私の婚約者なんだから。」
「いや、お前…婚約者って好みじゃないとかよく言ってたから…。」
「確かに言ってたが、触れると柔らかくて可愛かった。彼女は面倒見がよくてあのベアーズ男爵令嬢の面倒も見ていた。」
「子爵家と男爵家の当主は、仲が良いもんな。」
「友人が彼女しか居ないからか、国立庭園でのデートに勝手に着いてきた。」
「ゲッ!婚約者同士のデートに着いて来るなんて、何を考えってんだ。」
「最初は、彼女を心配して着いてきたのかと思ったんだが…。」
「お前が目当てか?」
「彼女が手を洗いに行ったとたんに茂みに引っ張り込まれた。」
「まさか関係持ったのか!」
「持っていない!身体を触らせてきたが全く欲情しなかったし、彼女が助けてくれて…追い払ってくれた…。」
「情けないな…。」
「私もそう思う…落ち込む私を慰めて、抱きしめてくれた彼女の身体は柔らかくいい香りがして…。」
「そうか…」
「情けない姿を見せたと私が謝ると気にしないが、私がベアーズ男爵令嬢に触れたのが許せないと、今度は彼女が泣きそうになり私も彼女を抱きしめて…ベアーズ男爵令嬢に触れても私はこんなにはならなかった…と彼女の手を私のこか…」
「うん、わかったから。それ以上話すと婚約者が、口を聞いてくれなくなるぞ…。」
「そうか?私は聞いてほしくて仕方ないが?」
「…まぁ、助けてもらってよかったな…」
「あぁ!ベアーズ男爵令嬢は殿下や公爵家の令息の近くに居るみたいだからな、私のような伯爵家の人間が彼らと令嬢を譲り合うなんてならなくてよかった!」