第一話 意味
「お願い、私は貴方を殺したくないの…。お願い…」
その人はまるで天使のような翼がありそして、鎧を身に纏った女の人であった。具体的に言うならば戦乙女のような姿をした彼女は目の前にいた男の人にそう言った。彼は、大剣を手に持ち、戦闘でボロボロで剣で体を支えていた。其れぐらいボロボロなのにそれでも彼は下がらなかった。いいや…、下がる訳にはいかなかった。
「日名香、俺はお前に約束した、幸せになろうと。俺は約束を守る為に君を守る為、後ろは振り向かない。」
其れから、彼らは世界を守りそして死んだ。そんな、俺はこの二人の間に生まれた。この世界最後の能力者…。
これは、一つの可能性の物語。もう一つのドラゴンリーゼンのストーリー…。赤九人 春間と亜麻野谷 日名香の息子、赤九人 恵夢の物語。
ドラゴンリーゼンアナザーストーリー
Life drive
「俺は、どうしたいんだろな…」
そう言いながら、学校の屋上で俺は寝転がっていた。だだ、なにを考えるでも無く寝転がっていた。
「あー‼︎面倒くさいな‼︎何もしたくねー‼︎通過今何にもしてね。あー‼︎暇で死にそう‼︎」
そう、言っていても何にもならないし何にもあって欲しくない。何とも矛盾している事を言っている事。そんな事をグダグダ考えるのもアホらしいと思えた。
「まあ、ゲームでもして気分転換するか…。」
と、ゲーム機を取ろうとした瞬間、制服のポケットに入れていた携帯が鳴った。
「親父からかよ。『ピポ。』はいはい。なんですか。親父?」
《何ですかだと。お前、三者面談なのに何でお前はいないんだ‼︎》
そうだったけ。そう言いながら、電話をしながら、携帯に入れている予定表を見ると三者面談の字がでかでかと書かれていた。
「いや、あのね。忘れてた。いやいやごめんね。親父〜。今すぐ行くよ。」
そう言って、電話を切ると俺は屋上をあとにして、自分のクラスの教室に向かった。
「あぁー…。眠い。通過、だぁるい。」
そう呟きながら、教室のドアまで行くと、親父と先生はもう、机に座っていた。
「あー。ごめんなさいね〜。忘れてまして。」
すると、親父は俺の頭を叩き、
「お前は馬鹿か‼︎三者面談だって次の人や決まりがあるんだから、そこはわきまえろ‼︎」
俺は、不貞腐れたように「すいませんでしたね。」と言った。そして、親父にまた頭を叩かれた。
「あの?始めていいでしょうか?時間も押しているので。」
と、うちの担任の先生は、俺たちに聞いた。親父は、「すみません。ウチの息子が、ご迷惑をおかけして。」と、頭を下げていた。
「それでは、三者面談を始めるのですが…。恵夢くんは、中学二年生になって何かを考えている事はありますか?」
「特に無い。ゲームが出来ればそれでいい。てか、学校に来るのもめんどい。」
先生は、「そんな事を言わないで。将来の夢とか無いの?」と、俺に言った。しかし、
「けどな、先生。俺はとりあえず、学校へは来てるが別に勉強とかが出来ないからじゃ無くて分かっている事をいちいち聞いているのがつまらねて言ってるだけ、それに比べてゲームは強さは人によって違うだからそう言った奴らと戦いたい。だから一応、将来の夢はゲーマーかな。」
呆れた先生は、「なら、困っている事は無いですか?」と聞かれると俺は、
「ある…。車。作りかけの車。」
それを聞いた先生は?となっておりよく分からなかったらしい。それを観ていた親父が、
「恵夢は、小学5年生の頃からウチのガレージにあった、設計図を元に未完成の車を作っていたんです。」
と、継ぎ足してで俺のやっている事の説明をしてくれた。そうこれは、5年前の話である。そう、今考えてみたらこれが全てであった。この俺、赤九人恵夢の原点である。
・
五年前
「はあ…。なんで、俺がこんな広い庭の雑草取りしなくちゃいけないんだ‼︎」
当時、俺は、二人の弟と一人の妹の子守をやらされていた。その時は、庭で遊ぶことぐらいしか出来ないため、庭で遊んでいた。幸いな事かウチの家の庭は何というか普通の家よりは、10倍は広いと思う。まあ、その庭で弟たちと遊んでいた時の話だ。サッカーをしている時に、俺が勢いあまり、ボールを強く蹴ってしまった。其れだけでなく、高く上に上がり…お袋が大事に育ていた花の植木鉢を壊してしまった。
その時、お袋は「別にいいわ。怪我は無かった?」と、俺たちに聞いてきた。怒られると思っていたが、お袋は俺たちの事をものすごく心配していたのだが、その日の夜、俺は親父に呼び出され、明日、庭の雑草取りをしろと言われた。其れもたった一人でだ。
「うわーめんどくさいよ‼︎やりたくないよ‼︎疲れたよ‼︎」
と、うだうだ言っていると、ふと、ある事を思い出していた。
『赤九人家の人間なのにそれなのかよ〜。』
『英雄の赤九人春間を。本当に何にも知らないだな‼︎』
『赤九人家の恥だな‼︎』
俺は、確かに赤九人家の人間ではある。だが、血縁者に英雄がいるからと言って何がどうした。本当にうんざりだった。俺が通っている由宇学園附属小学校というよりも由宇学園に赤九人春間という英雄が在籍していた為、東大などに並ぶ名門校とされている。そして、そこに俺は在籍していた訳だが、何せそこにいるガ…子供らは全員変なプライドを持ち、クソくだらね事でいちいち突っかかってくる。そんな所が嫌になり、俺は、小学5年の1学期を以って今の学校を辞め、公立の小学校に入る事になった。俺はそれで良いと考えていた。しかし、学校からは、辞めることは良しとしょうとしなかった。それは、赤九人家のご子息が、辞められると言う為前などを言い出し、親父もお袋も、相当ムカついていたみたいで、『結構です‼︎』と、きっぱり言ったと言っていた。
「俺は、これで良かったのかな…?」
俺は、子供であるが、それ以上にあの小学校の中では、もう少し細かく言うと、あのクラスの中では一番大人びていた。それは、自分の両親が本当の両親でない事が関係しているのかもしれない。そして、自分の立っている場所を感じられたからだと思う。だからと言って大人びていた理由にはならないがそれでもそれが、自分の中で一番しっくり来る答えなのかも知れない。
「なんだよ…。俺らしくね事考えて。アホらしい。」
そうやって、俺は雑草取りをやっていた。そうしていたら、壁にあたった。終わったと思ったら、
「最悪。何でここにガレージがあるんだよ…。」
うちのデカイ庭の中で一際目立っているのがこのガレージであり、親父には、絶対入るなと言われていた。いつもなら、言い付けを守るのだが、やさくれていた事もあり、俺はガレージの中に入った。すると、ガレージに風が通り大量のホコリが俺の方に来た。
「ゲホゲホ‼︎ひどいな、ここは、何年も掃除してね証拠じゃねか。」
と、俺は文句を言いガレージの中に入った。そして、俺は「何なんだこれ…。」という以外にそこにある物に対してはこの言葉以外に見つからなかった。
・
俺は、恵夢を育てると実里と決めたあの日から、もう9年が経とうとしていた。恵夢は何とも無く育っていってはいた。しかし、もう一度言うが、育っていっては『いた』。この意味が言う通り、恵夢は普通には育っていってはいなかった。それは、確実なものでは無いが分かるのである、俺にはあいつに秘められた力がどんどんどんどん、膨れ上がっている事が。
「春間…恵夢はどうすれば…いいんだ…?」
ただ、その言葉は、誰にも届きはしなかった。
・
「何なんだこれ…。」
そこにあったのは、シートで覆い被された自動車らしきもの。進んで行くと、車の設計図らしき紙が落ちていた。
「今の時代、パソコンデータが支流なのに…紙とは何とも物好きな人が作ったみたいだな。」
少し、俺はその設計図を見ていた。
そこに描かれていたのは、予想通り、自動車の設計図であった。
「車の設計図にしては…何だこれ。こんなスペックは無理だろ。」
機械に何しては、親父にそれなりに仕込まれたと言うこともあり、機械に関してはその他の人よりも自信がある。そんな俺が、無理と言うのだから、そうなのである。
理由としては、馬力や最高時速が桁違い高いのである。現在、最高でも1200馬力の431km/hであるのにこいつは、それを悠々と超え、2000馬力の500km/hであった。そんな物は無いとしか言いようが無い。けど、実際目の前にあると考えると、何とも作り甲斐のあるものであるのであろう。
「いいね。何だか楽しくなってきたね。作ってやろうじゃないか‼︎この車を‼︎」
すると、
「恵夢、お前。何でここに入った。入るなと言っただろ‼︎」
と、帰ってきた親父がガレージが開いているのに気づき俺に説教し始めた。それに対して、俺は、
「親父、何でこんな面白いもんを隠してたんだよ‼︎俺は、こいつが欲しい。こいつが作りたい。」
俺は、そう言った。怒られている事も忘れて、ただただ、この車を作りたいと思う様になっていた。それを聞いた親父は、
「…お前は、こいつが作りたいと言ったな。これがどんなモノか分かって言っているだろうな。」
「そんなの分かっている。2000馬力の500km/hの怪物マシンだろ。けど、楽しすぎるんだよ。こんなをマシンを動かす事がどうしても。想像しただけでゾクゾクする。」
しかし、親父はそんな事を質問していなかった。
「分かっていない様だから、言ってやる。コレは、元々ある男が作ったマシンだ。その男は、赤九人 春間だ。」
俺は、それを聞いた瞬間今までの情熱が真っ白になって消えた。
「すいませんでした。もう一生ここには近づきません。」
そう言って、俺は自分の部屋に戻った。
「最悪、アレを作ったのがあいつなのかよ最悪。」
と、ブツブツ文句を呟いていると
(何が、最悪何だ?お前はなぜ、俺をつくらないだ?)
「誰だ‼︎姿を見せろ。俺を作れてどういう事だ?」
(作れは。言葉通りの意味だ。あれは俺の身体だからな。)
何が何だかよくわかんね?何だよ。俺の身体て。それにお前は誰なんだよ。
(俺は、オートペイン。昔、ある奴と居たが、あいつが死んで俺も身体を失った。)
あいつて赤九人 春間の事か?
(そうだ。それに、俺はお前を導くためにまだ、生かされている様なものだからな。)
導く?俺を?何で⁉︎
(それは、___だ。それ以上でもそれ以下でもない。それに、お前はあの車を作りたいと思ったんだろ。なら、何で気持ちに流される?)
お前に、何が分かる‼︎俺は、あいつのせいで。俺は…
(関係無いな。お前は、自分に嘘を付いている。)
何だよ。親父みたいに説教かよ。
(そうかも知れない。けど、お前はこれからこの様に毎回逃げるのか?)
そうして次の日、俺は、あの車の前に立っていた。
(作る気になったのか?それともうじうじ考えているのか?)
うっせ。黙ってろ‼︎
そう言って俺はガレージのシャッターを開け車を見ていた。どうなる訳では無いのにただただ俺は車を見ていた。すると、
「恵夢‼︎ご飯できたから手伝って‼︎」
お袋の声がし、俺はガレージを後にしご飯の用意をしていた。数分後、親父や弟や妹が食卓に並んだ。そして、親父が「いただきます。」と、言い食べ始めた。しかし、食べる気にはならなかった。
「恵夢。美味しくなかった?違うの作ろうか?」
「いや、別にそう言うのじゃ無くて…考えてて。」
そう、お袋が悪い訳では無い。どうしても、あの車が気になって仕方なかった。そうして、学校に行き気づけば終わって家に帰りガレージを見続けるばかりであった。
「はあ…。考えるのやめた。」
そう言って、ガレージの中に入り車を作り始めた。
(やっと、自分で答えが出せたんだな。)
勘違いするな。別に作りたいから作る為にやっているだけだ。それに、こいつがどこまで出せるか興味があっただけだ。
(はいはい。分かってますよ、分かって。)
何とも、腹立つ奴だなと、思ったが決して悪い気はしなかった。
「それにしても、こいつは何で動くんだ?ジェット燃料か?それとも…。」
(いいや、こいつには要らない。こいつには燃料という概念は無い。)
はあ?何を言っているんだこいつ。とっち狂ったか?
(とっち狂った言い方をして悪かったな‼︎けど、俺は間違った事は言ってないぞ。こいつには、IDVS。インフィニティドライブバイタリティーシステムが搭載されているからな。)
何?バイナリティーシステム?何だそれ?
(これを作ったのはお前の祖父だ。そして、それを春間に渡したのがお前の祖母だ。)
俺のじいちゃんばあちゃんが作ったのか。何とも変な感じ。だが、今ここに無いのはエンジンだけだった為、持っているであろう人から情報を聞き出すしか無い。
「よし、今日ばあちゃんの家に行こう。」
(何とも、お前はあいつと違って行動が早いな。)
そうか?普通じゃねか?
(まあ、そうかもなあいつと一緒にいると何とも常識はずれな事が身に染みてしまう。)
それはそれで俺にも災いが訪れそうだからやめてほしい。と切に願うのであった。
それから数時間後、親父が帰ってきた。
「親父‼︎頼みがあるから聞いてくれ‼︎」
そう言うと、
「その前にお前。また、車をいじったな?油の臭いがするぞ。」
え…ちゃんと洗ったのに。マジで。
「嘘だ。けど、その顔はいじっていたんだな。」
騙された‼︎この人、子供に嘘をつきやがった‼︎
「それがどうしたんだよ…。自分がしたい事悪いか?」
それに対して、親父は
「はあ…。別にそんな事は一言も言ってないだろ。それに、お前の場合、人に流され過ぎなんだ。だから、俺の言った事ですぐに怒った。」
親て見てないようで見ているんだな…。
「だから、お前は人に流されるんでは無く。人についてよく知ることから覚えろ。分かったんなら返事は?」
俺は、「はい…」としか言えなかった。
「で、頼み事て何だ?どうせ車のパーツは分かってる。」
「ちげーよ。ばあちゃんに合わせてほしい。」
すると、親父は驚いた顔をした。
「何で、車の話から母さんの話になるんだか。よくわからんがそうだな…。今日は金曜日だし、まあいいか。恵夢。お母さん呼んできなさい。」
分かったというと、俺はお袋のところに急いで行った。
「お袋‼︎お袋‼︎どこにいる?」
すると、台所から声が聞こえた。台所に向かうとお袋は夕食を作る前であるみたいであった。
「どうしたの?恵夢。そんな急いで。何か食べたい物があるの?」
そうじゃ無くて‼︎と、思ったがそれよりも親父が呼んでいると言うと、
「ああ、そう言うことね。じゃ、お父さんの所に行こうか。」
そう言って、お袋は俺と一緒に親父の部屋に行った。
「どうしたの?私を呼んで。」
「まあ、恵夢が母さんに会いたいて行ってな、土日を挟むからちょうどいいかなと思うんだけどどう?」
それに対して、お袋は
「迷惑じゃ無ければいいけど、そこはどうなの?」
「それに関しては大丈夫だ。母さんには連絡した。」
それならといいと、お袋は言った。
「なら、ガキどもに出かける用意させてくれ。」
「分かりました。なら、少し待ってくださいね。」
そんなこんなで話は進み、ばあちゃん家行く事になった。何回も話に出てきてしつこいかも知れないが、これもまあ仕方ない事なので…。
赤九人家と言うのは、今でこそ英雄の家系と言われているが実際は違う。赤九人家と言うのは元々由緒正しい家でまあお金持ちの家系である。そして、不思議な運命を辿る一族とも呼ばれている。其れこそ、じいちゃんも赤九人春間もだが短命なのである。
まあ、そんな不思議一族であり、またお金持ちであると言うことだけを頭の片隅に入れてもらえると良いと思う。そうこうしているうちに赤九人家の実家に着いた。
金持ちだから家はでかいものである。其れから、ドアを開けると、二人のメイドさんと執事さんが挨拶をする
「お帰りなさいませ。斎斗様。」
「うん。お二人ともお元気そうで。てか、俺よりも年下か。」
このメイドさんと執事さんの二人は元々赤九人家に使える人たちの家系で親父よりも10歳も年下なのである。
「そんな。恐れ多いですよ。それよりも外は寒いでしょう。中へ。奥様方は食堂でお待ちです。」
そう行って俺たち家族は食堂へ向かった。いつも思うことなのだが広い。広過ぎて迷う。ほんと、この人たち迷わないな。そう言って歩いているとあっという間に食堂に着いてしまった。親父よりも高いドアを開けると、これまた、30人入っても余裕な部屋に
「おチビちゃん達いらっしゃい。斎斗も実里ちゃんも。」
俺たちをそう呼ぶ人は、俺の親父の母で俺からは祖母である赤九人 琴乃羽そして、高校生ぐらいの女人が現れ
「ああ、ひ孫ちゃんたちいらっしゃい。それに、斎斗ちゃん、実里ちゃんも。」
この高校生にしか見えないこの人は天木 綾。琴乃羽ばあちゃんの母で俺のひい祖母である。しかし、それ以上にこの人たちは親も含めてだが俺の家系は姿が何とも変わらない。歳が止まっているんじゃないかと思えるぐらいである。
「母さん。おばあちゃんも。席に着いた方がいいと思うぞ。皿が運ばれて来たからな。」
と、親父がばあちゃん達に対して言うと
「そう見たいね。ありがとね斎斗。お母さんも座りましょう。」
そう言ってみんなが椅子に座ると、グラスに大人はお酒が注がれ子供にはジュースが注がれ、
「では、家族が集まれた事を祝い乾杯。」
そう、ひいばあちゃんが言い最初に料理が運ばれて来た。そうして、食べ始めると
「で、斎斗。今日はどうして来たの?」
ばあちゃんは親父に聞くとそれに対して
「それは、恵夢が母さんに用があるらしくてだから来た。」
「へえ。恵ちゃんが?」とばあちゃんは言った。
「そうです。ばあちゃんに用があって来ました。IDVS。インフィニティドライブバイタリティーシステムをください。」
それを言うと弟達以外の家族が黙った。すると、ばあちゃんが俺に対して「IDVSはどこで知ったの?」と聞かれ
「それは、家のガレージの中にあった車を作っていたら設計図に描かれてた。」
俺は嘘を着いた。設計図にそんな事は書いてなかった。ペインに教えられてIDVSの存在を初めて知った。しかし、そう言わないと危ないと感覚的に分かった。そして、
「IDVSは無いわ。 貴方が生まれた当時に失われた。だから無いし作る事も出来ないわ。ごめんなさい…」
それから、食事が終わるまで誰も喋らなかった。ただ、わかることがあるとすると地雷を踏んでしまった事とIDVSがあると言う事だ。数時間後、親父とばあちゃんに呼び出された。
「恵夢。ここに呼ばれた理由は分かるな?攻めたくわ無いか事が事だ。だから言う。車を作るのを辞めろ。」
「はあ⁈どうしてだ?どうして作るのを辞めろて言われないといけないんだよ‼︎」
しかし、この話は俺の話の斜め上を行く話だと正直あまり思っていなかった。
「それは…。お前を…。本当の親と同じ運命を辿らせたく無いんだ‼︎」
感情的になっていた。親父が俺の前で初めて感情的になっていた。親父は、いつも油断も隙もを与えない。だから、親父に勝てなかった。しかし、今、俺の問いに感情的になっていた。すると、
「もう、隠しても意味が無い。そんなこの子の為にもならないわ。斎斗。」
「恵夢。よく聞きなさい。貴方は赤九人家の人間だけど、斎斗や実里ちゃんの本当の子供じゃ無い。貴方の本当の親は春間よ。」
はあ、待ってくれ本当の親が赤九人春間だって?そんな…そんな。
「そんな…そんな。そんなのはデタラメだ‼︎そんな事は無い‼︎だってあいつは。あいつは…。」
それ以上言葉が出なかった。良いや出せなかった。俺は本当は知っていたのだ。俺の親父は赤九人春間だという事にいいや、知らないはずわない。何せ、自分自身で見つけたのだから幼い自分が母親であろう女性と赤九人春間に抱かれている写真を。だからこそ、嫌だった。自分が英雄と呼ばれた親がいる事を。
「信じきれないのは仕方のない事だわ。けれど、それが真実なのよ。そして、貴方はね。あの子と同じ轍を踏もうとしているだから私たちは戦う為の道具になり得る物を作る事は見過ごせないから止めるのよ。これ以上家族を失いたくないから。」
『バンーーーーーーーーー‼︎』
「ふざけるな‼︎俺とあいつを一緒にするな‼︎」
その日を境に、俺は家族との距離を置いた。いいや、一歩的に俺が距離を置いた。何とも最悪の親不孝者であったが親父やお袋は何も言わずいつもどうりに接してくれた。そこからだった俺がだんだんゲームにハマり始めたのは。
「よし、一斉攻撃だ‼︎」
「分かった‼︎カウント3で行く‼︎1、2の3‼︎」
と、言って俺は強力なモンスターを仲間たちと狩っていた。その頃、ゲームは大規模なVRMMOが流行っており、俺の見る世界はレベルと共に広がり続けていた。
また、俺の人生を変える転機を迎えるのである。
「なんだ…このスキル。"無敵"?」
この時は何も知らなくていいはずの事まで知っていたのかもしれない。






