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9 叔父様

誤字のご指摘していただきました。訂正いたします。凰紗様、ありがとうございましたm(_ _)m



 数日もすると、屋敷での生活は落ち着いた。屋敷は快適に整えられ、使用人たちも目が行き届いている。お父様が重用するのも分かるくらい執事長補佐としてのロベルトは優秀だった。



 そんなある日、屋敷の馬車止に、伯爵家よりも立派な馬車が止まった。中からするりと出てきたのは、しなやかな筋肉を持つ、長身の美丈夫だった。

 彼の馬車が姿を現したとたんに、屋敷中がピリリと緊張した。すかさずロベルトが対応している。

 その間、私は応接室でゆったりと出迎えた。


「ユリア様、お久しぶりです。急に領地に来るなんて、驚きましたよ。ベアトリーチェとフランチェシカは入れ違いに王都に行っております。二人が知ったら、きっと残念がるでしょう」


 この男は、ベアトリーチェ叔母様の夫、フランチェシカの父、そして我がオルシーニ伯爵家分家の長であるブルーノ叔父様だった。

 叔父様は、領地の経済から特産物の開発、自警までを負い、絶大な力をもっている。伯爵であるお父様も、叔父様の言葉を無下にはできない。

 これで魔法の才があれば、お父様の代わりにお母様と結ばれ、伯爵になっていたのは叔父様の方だったかもしれない。残念なことに、この国では魔法の才のある男子しか貴族家の当主にはなれないのだ。



「ええ、知っておりますわ叔父様。王都でご挨拶しましたもの。でもお二人が私が領地に来たことを知っているかどうかは、分かりませんけれど」


 いやだわ、二人と私が仲良しじゃないのは分かっているでしょうっと言外ににじませる。


「お座りになられませんか?」

「いいえ、結構。長くはいられませんので」


 立っているだけで、胸や足にしなやかな筋肉が付いているのが分かる。整った顔立ちは、四代前の当主の肖像画にそっくりだ。確か叔父様の筆頭分家は、四代前の当主の弟が興した家だったと記憶している。睥睨する深い緑の瞳は知性が高いことを伺わせる。

 それにしても叔父様ったら無駄に色気と威圧を垂れ流していること……ま、そんなもんニコニコ笑って流しておけばいいでしょう。


「……」


 なんでしょう?叔父様が気味悪いものを見たような目で私を見ますが。


「具合でもお悪いので?」

「いいえ、全く」


 元気一杯ですわと、さらにニコニコと笑う。

 それにしても、アレですわね。確かに美形なんですけれど、若い女の子がキャーキャー言わないのは、どっちかっていうと「怖い」が先に立つからでしょうね。

 私もどちらかというと、お父様の熊顔とポッコリお腹の方が癒やされて好きですわ。ルイス様はどちらのタイプでしょうか?

 おっといけない忘れてましたわ、ニコニコっと。


「そう……ですか。では領地での生活を存分にお楽しみ下さい」

「ええ、楽しみにしていますわ」

「私はこれで失礼します」


 失礼にも当たるくらいの短い滞在時間だが、叔父様は気が咎める様子もなく用は済んだとばかりに身を翻した。忙しい身では、こんな小娘に挨拶に来る時間も本当は惜しかったのだろう。

 叔父様は、扉の前まで進んで、思い出したように振り返った。


 まずい、笑顔が消えていた。ニコニコっと。


「……。まあ、いいでしょう。

 この辺りに盗賊団がいるという噂があります。現在のところまだ被害はありませんが、護衛無しで出歩いたりしませんようお気をつけ下さい」

「ええ、そういたしますわ」


 ニコニコ顔のまま、大げさに頷いた。


「そうそう叔父様。私から一つ質問がございますの。よろしいかしら?」

「なんでしょう?」


 私は表情を消した。


「叔父様はこの領地や領民を愛してらっしゃるのかしら?」





すみませんm(。≧Д≦。)m

予告した「美中年」、ルイスさんじゃなくブルーノ叔父様さんです。


皆さんのご感想からの反省や得たひらめきなどから、プロットが大幅に変更になってしました。私は以前より、おもしろくなったと思います。その代わりルイスさんの出番がかなり遅くなってしまいました(´;ω;`)ウゥゥ


私の好きな「豚公爵と猛毒姫」のように100話を超えてから豚公爵が登場ヽ(゜Д゜;)ノ!!と、まではいかないはずです。

それにユリアとルイスさんのイチャコラする未来は変わりません!


あらすじも一部、変更いたしました。

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