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2nd Manuscript  作者: 十 円
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『お兄ちゃんへ』

まずは心配を掛けてごめんなさい。

それと私は元気です。

だから安心して下さい。


私は今までずっと、お兄ちゃんの事を騙して来ました。

それはお父さんとお母さんの事。二人が死んだのは事故のせいじゃない。

あれは私のせいです。

二人は私に身近な者の死を経験させる為に、この世界に殺されたんです。


私には不思議な記憶があるんです。

それはここじゃない、別の世界の記憶。

そこで私たちは、より高次元の存在となる為に修行をしています。

そして私たちは、修行の一環としてこの世界を創り、この世界にやって来ました。


この世界で起きた自然災害や戦争も全てはその修行の為。

私たちにそれを見せ、経験させる為に起きた事。


でもそれはもう間も無く終わります。

私たちは間も無く修行を終え、この世界は崩壊し、また新しい修行の場となる新しい世界が再構築されます。


私はそれを止めます。

その方法が分かったんです。


この手紙と一緒に送ったヴォイニッチ手稿と呼ばれる古文書のコピー。

それはずっと昔、重病の男性が死期を悟り、自分の中にある不思議な記憶を書き残したもの。

内容は、彼の思い出した別の世界での子どもの時の記憶。

こちらの世界でいう子どもの夏休みの宿題。

自由研究のようなものです。

でもそこにはこの世界の崩壊を止める方法も書かれていたんです。


でもそれは不完全なものでした。

何度試しても、この世界の崩壊を完全には止められませんでした。

でも私は何度も試すうち、新しい方法を発見したんです。

それをもう一つのノートに書いてあります。


この方法はとても危険で、もしかしたら私は死んでしまうかも知れません。

私が死ねばお兄ちゃんの中にある私の記憶が徐々に消えていくと思います。

その時はこのノートをどのような方法でも構いません。

この世界に、このノートの内容を公表して欲しいんです。


このノートには、この世界の崩壊を止める方法と、この世界の崩壊を止めたい私の想いを書きました。

この世界にいる私と同じ修行をする人がこれを読めば、きっと私に共感し立ち上がってくれるはずです。


ここまで書きましたが、私は死ぬつもりはありません。

この世界の崩壊を止め、必ず生きてお兄ちゃんのもとへ戻ります。


戻ったら、お兄ちゃんの好きなごはん、いっぱい作ってあげるからね!

だからそれまで待っててね。お兄ちゃん!


双葉

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