大嫌い、、、
一ヶ月前私の双子の姉は死んだ。
私はいつも姉の次だった。
姉と私の容姿はもの凄く似ているのに、姉には華があって、私には華がなかった。
勉強も運動も私は出来る方だが、いつも姉の次だった。
もちろんみんな二番手の私より、姉の方に群がった。
誰も私を見てくれなかった。
私は悔しくてたまらなかった。
何度も姉がいなかったら、姉と自分が逆だったらと思った。
姉を何度も憎んだ。
本当に大嫌いだった。
そんな姉が死んだ。
嬉しかった。
これで私が一番になれるのだと思った。
笑いがこらえきれなかった。
でも最初から二番手もなにも無かったんだ。
姉が死んでからみんな私に群がるようになった。
姉が好きそうな話をして、姉が好きそうなところに遊びに誘われた。
みんな姉しか見てなかった。
私に姉を重ねて、私が姉がしないような行動をすると、周りの空気が凍った。
最初から誰も私を見てなかった。
そして今も誰も見ていない。
こんなのを望んだはずじゃなかった……
夢を見た。
もがけばもがくほど、沈んでいく底なし沼に沈んでいく夢だ。
もうダメだと思った時、誰かに思いっきり引っ張られた。
引っ張ったのは死んだ姉だった。
そして私に向かって微笑んで、姉は私を抱きしめた。
それだけの夢だった。
朝起きて、私は泣いた。
姉が死んでから、初めて泣いた。
本当は大好きだった。
大嫌いだけど、誰よりも大好きだった。
姉が死んで嬉しかったなんて嘘。
本当は悲しかった。
でもそれを認めるのが嫌で、嬉しいという感情にすり替えた。
本当はわかってた。
姉が私のことをちゃんと見てくれてること。
姉が私を愛してくれていること。
わかってたよ。全部。
でも弱い私は認めたくなかったんだ。
ごめんね。お姉ちゃん……
大好きだったよ。
いや、やっぱり先に逝っちゃったから大嫌いかな。