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コニーズフラワー

作者: 灯花

破れかぶれ、幸せ破れた。


なんて、思った瞬間。


敗れた、自分。


あたしは。


本当は一人でも生き続けられること。


気付いてしまったら、悲しい、悲しい、残酷な涙。


あたしはずっと、弱いままでもよかったのに。


分からないままでも、よかったのに。




なんて。


嘆いてみたって。


本当は、ずっとずっと。


心にはあなたが居たくせに。


一人で、だなんて。


あなたが居るくせにね。


会えないまま。


触れないまま。


忘れない匂いと、忘れない色たちと。


ずっと一緒に。


振り切って、走って、逃げ切れたつもりになってた。



あなたはあたしに魔法があると言った。


あたしはあなたに呪いをかけたと言った。


全ての権限はこの手にあると思っていた。


浅はかにも。



あぁ。


あたしの魔法は、もうなくなったよ。


あたしは何か、青い時代の燃えかすのよう。


あんな、強い何か、光みたいなの、なんてもう。


どこかに逃げていったんだよ。


もう、どこにもないんだよ。



あたしの呪いは、あたしに。


あたしの魔法は、遥か昔に。


あなたの匂いは、まだここに。


あなたの記憶は、永久にここに。



そしてあなたはどこかへ消える。


あたしを残して消えていく。


その匂いと、記憶だけ残して。


ついに、本当になくなってしまう。




あなたはきっと、


内緒であたしに呪いをかけた。


決して消えない、呪いをかけた。


あたしは、永遠に解けない呪いのなか。


だけど、それすら幸せな痛み。


一輪の花のように。


心に根付いた消えない痛み。

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