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放課後の部室で、俺達3人は他愛もない会話をしていた。
「ねえねえ雫、幽霊っていると思う?」
緋村燃香は机に開けたお菓子を食べながら、話を振る。
「さーねー」
話の相手である霧雨雫は適当に相槌を打つ。
「ちゃんと話聞いてよー・・・・ったく、ジョーはどう思う?」
「えーーー・・・ったくなんでそんな話すんだよ。まあ、いるとしてもだ。現象から原因を導き出して証明するのが筋じゃないのか?」
携帯ゲームをいじりながら、神崎ジョーは答えた。
「いや、そうなんだけどさ、だって現に私達、この部屋から出ようと思っても出られないじゃない!!・・・どうすんのよ!!!」
「どうしようも無いわよね」
「そうだな、どうしようも無いな」
そうなのだ、俺達は何故か部室から外に出られない。
窓やドアは開けようとしても全く動く気配すらしないし、椅子で窓ガラスを割ろうとしてもびくともしない。
窓の外は時が止まったように景色が変わらず、人の姿も見えないでいる。携帯は圏外で誰とも連絡がつかない。
・・・・俺達は部室に閉じ込められてしまった。
「少しは危機感持ちなさいよー!!!」
焦る燃香の気持ちは分からんでもないが、焦っても仕方ない。
「まあまあ、落ち着け。俺達は仮にもオカルト部だろ。前にも似たような事あったんだし、今回もなんとかなるさ」
「そうよ燃香、少しは落ち着きなさい。幸い食料と水は沢山あるんだし。少しは楽しみましょうよ」
「・・・貴方達が羨ましいわ。」
「うーむ、しかし、ドアが開かない原因が分からない・・・。最初に部室に入ったのは雫だよな?」
「そうよ。アタシが一番最初に部室に入ったわ。15時15分頃だったかな、入るときに違和感は無かった・・・と思う。椅子に座って小説を読んでたわ」
雫は記憶を絞り出そうと悩むが、やはり怪しいことは無かったと結論付けた。
「んで、次に部室に入ったのは俺だな。15時40分くらいかな。入る時に変わった事は無かった・・筈。まあ、変わったことがあっても、気が付けない気がするけども・・・、雫が本読んでたから、邪魔しないように俺はゲームをやり始めたかな」
「最後は私ね、部室に入ったのは16時10分頃かな、、、入る時に変わった事は無かったと思う。私は部室に入って、、そう、忘れ物をした事に気がついたのよ。そして教室へ取りに戻ろうとしたらドアが開かなくて・・・閉じ込められたことに気が付いたの」
「・・・まさか燃香が鍵閉めたわけじゃないよな?」
「どーしてそうなるよ! 私だって早くここから出たいんだから!!」
「そりゃそうだよなー。雫、どう思う?」
「そうね・・・やはりこれは超常現象の類だと思うの」
雫はチラッと部屋の隅にある本棚の方を見て、話す。
「・・・だから、あのガイドブックを見るしか無いわ」
「マジか」
「ええー、やっぱりその方法しかないのー!!??」
ーーー現在時刻16時30分。彼らは部屋からまだ出られない。




