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彼らは一歩も外に出れない  作者: 馬場家越
1/3

放課後の部室で、俺達3人は他愛もない会話をしていた。

「ねえねえ雫、幽霊っていると思う?」

緋村燃香は机に開けたお菓子を食べながら、話を振る。

「さーねー」

話の相手である霧雨雫は適当に相槌を打つ。

「ちゃんと話聞いてよー・・・・ったく、ジョーはどう思う?」

「えーーー・・・ったくなんでそんな話すんだよ。まあ、いるとしてもだ。現象から原因を導き出して証明するのが筋じゃないのか?」

携帯ゲームをいじりながら、神崎ジョーは答えた。

「いや、そうなんだけどさ、だって現に私達、この部屋から出ようと思っても出られないじゃない!!・・・どうすんのよ!!!」

「どうしようも無いわよね」

「そうだな、どうしようも無いな」

そうなのだ、俺達は何故か部室から外に出られない。

窓やドアは開けようとしても全く動く気配すらしないし、椅子で窓ガラスを割ろうとしてもびくともしない。

窓の外は時が止まったように景色が変わらず、人の姿も見えないでいる。携帯は圏外で誰とも連絡がつかない。

・・・・俺達は部室に閉じ込められてしまった。

「少しは危機感持ちなさいよー!!!」

焦る燃香の気持ちは分からんでもないが、焦っても仕方ない。

「まあまあ、落ち着け。俺達は仮にもオカルト部だろ。前にも似たような事あったんだし、今回もなんとかなるさ」

「そうよ燃香、少しは落ち着きなさい。幸い食料と水は沢山あるんだし。少しは楽しみましょうよ」

「・・・貴方達が羨ましいわ。」

「うーむ、しかし、ドアが開かない原因が分からない・・・。最初に部室に入ったのは雫だよな?」

「そうよ。アタシが一番最初に部室に入ったわ。15時15分頃だったかな、入るときに違和感は無かった・・・と思う。椅子に座って小説を読んでたわ」

雫は記憶を絞り出そうと悩むが、やはり怪しいことは無かったと結論付けた。

「んで、次に部室に入ったのは俺だな。15時40分くらいかな。入る時に変わった事は無かった・・筈。まあ、変わったことがあっても、気が付けない気がするけども・・・、雫が本読んでたから、邪魔しないように俺はゲームをやり始めたかな」

「最後は私ね、部室に入ったのは16時10分頃かな、、、入る時に変わった事は無かったと思う。私は部室に入って、、そう、忘れ物をした事に気がついたのよ。そして教室へ取りに戻ろうとしたらドアが開かなくて・・・閉じ込められたことに気が付いたの」


「・・・まさか燃香が鍵閉めたわけじゃないよな?」

「どーしてそうなるよ! 私だって早くここから出たいんだから!!」

「そりゃそうだよなー。雫、どう思う?」

「そうね・・・やはりこれは超常現象の類だと思うの」

雫はチラッと部屋の隅にある本棚の方を見て、話す。

「・・・だから、あのガイドブックを見るしか無いわ」

「マジか」

「ええー、やっぱりその方法しかないのー!!??」

ーーー現在時刻16時30分。彼らは部屋からまだ出られない。


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