出会いは突然に (01)
いつものように目覚ましが鳴る。そして私は起き上がって顔を洗って歯を磨く。
まだ完全に起きてない私の目はまだ半開きだ。
「ふわあ...眠すぎるだろ。」
私はいつものように同じ事をつぶやく。
そうだ、私はいつも7時に起床する。それから歯を磨いたり顔洗ったり、学校の用意をしたり朝ごはんを作って食べたり、朝からハードルの高い事をちまちまやっている。
単純にハードルが高いとか思っているのは多分私だけだろう。
「はあ...サボりたい。」
私は極普通の大学生だ。高校を卒業と同時に一人暮らしを始めた。
まあ一人暮らしも中々いいと思い始めた頃だ。
「って...やばい!遅刻するじゃん!!」
私はぼーっとしていて時間を見ていなかった。
時間を見ると8時だった。私の家から大学は案外距離があるから結構早めにでないと遅れてしまう。
私は急いでカバンと持って上着を着て家の鍵を閉めて走って学校に向かった。
「はあ......。」
「明杜何その顔。なんかあった訳?」
私の中学時代からの付き合いの、梅村奈緒。私の事をなんでも知ってる人物だ。
今日は朝のせいで遅刻しかけてそのせいですごく疲れている。
「体調が悪いの。」
「あんたは、毎日のようにのんきだから今日みたいな事になるのよ。」
「正論すぎて、口答えできない。」
そうだ、正論すぎて何も口答えできない。いやまあそんなにのんきでもないんだけどな。
しかも学校サボリたい理由はまだある。まあ、こうやって毎朝奈緒にこんな事言われてるのも嫌だけど。
もう一つ私にはサボリたい理由がある。
「あのー、羽和明杜君?っていますか?」
「あーこっちですよ。あと、君じゃなくてさんですよ。」
「え?あ、すいません。えっと、先生から資料のお届けです。」
「...あ、どうも。」
そうだ。私の学校サボりたい理由。なぜか男に間違われる。
まあ、こんな“あきと“なんて名前普通は男子に付けるよね。分かる。私もそれは一生懸命考えた。
別に相手は悪気がないんだよね。それも知ってる知ってるさ。
「本当にいつものように間違われるよね?」
「...私だって好きで間違われたくないし。」
そう、私だって好きで間違えられたくない。どうして明杜って名前だけで男子と決め付ける!!
ああ...まあそれもそうか。こんな名前で女子とか何者だよ。
ってここにいるじゃないですか!!ああ...なんだろうこれ。
「私、今日は帰るよ。なんか帰って資料をしろみたいな手紙が貼ってるから。」
「りょーかい。まあまたなんか合ったら連絡する。」
「わかった。ありがとう。」
私はさっき貰った資料をカバンに入れて上着を着て奈緒に手を振ってそのまま家へと帰った。
奈緒は呆れたような笑顔で私に手を振ってくれた。
「...はあ。あの先生も人使い荒いな。」
ため息と同時に少し顔を引きずった私はただひたすら家まで歩く。
「ん?...」
私はやっと自分の家まで歩いてこれた。そして目を疑った。
自分の家の前にかっこよくて美形の生きてきて見たことないような男性が立っていた。
黒髪だけどちょっと茶髪っぽくて両耳一つに黒い小さなピアスがついている男性だった。
男性はなぜかウロウロしていた。
なんだろう?私の家に何か用なんだろうか?
「あの...。」
私はとっさに困っていたので声をかけた。
男性は、私を少しじっと見つめていた。
「あ...701号室ってどこか分かる?俺今日引っ越してきたんだけど..。」
「え、701号室ですか?えっとそれって私の隣じゃ?..あ、ここですよ?」
「あ、合ってたのか。悪かったな。」
「いえ。このマンション701号室だけ、札ないんですよね。そりゃ困っちゃいますよ」
そう、このマンションはなぜか701号室だけ701号室と書いてある札がない。
まあその理由は私にはわからないが、でも困ってる人を助けられて私は嬉しくおもう。
「あ、そうだ。お礼させてよ。」
「え...い、いいですよ。お気になさらず!!」
こんなイケメンにお礼とかされるとかマジないです。
てかイケメンすぎだろ、笑うとかやばい。これ絶対私じゃなかったら即落ちてる。
「本当にいいんで、お気になさらず。あっでも困ったことなどあればなんでも訪ねてきてくださいね。では。」
私はそう言葉を残して男性にお辞儀をしてそのまま家に入った。