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商人と盗賊の華(1/12編集)

村長との話も終わり茶の間を出てからシルクを探した、レイでも良かったんだが、やはり次の目的地を決めたりするときはシルクが一番だ、と判断した


「お、ランタン君、行き先は決まったかい?」


シルクは椅子に座ってミュスタを飲んでいた、


あ、あれ結構みんな飲んでるんだ…

そういえば…村ではよく馬の乳を直で飲んでたな……



俺はどうでもいい思い出をさらに発展させる前に我に返った。



「俺が決めることじゃないと思うけど、シルクが決めなよ」


何か押し付けみたいだがこれで正解なんだ、俺もレイも地理に詳しくない。



これが正しいんだぃ!


「そうかい。じゃ、明日にでも…」


ほっ、良かった。村長に明日と言った手前に変更はできない。そういえば馬車用意するって言ってたな。

シルクはミュスタをもう一度容器に注いでいる、ハマったな……?


「うむ、ああ、買い取る?いやぁ~、我々は6万ポーンしか手持ちになくてな、助かる」


盗賊から奪った装備を袋にまとめたレイが二人の村民を連れて二階から階段で降りてきたようだ、無駄にでかい笑い声が聞こえる、どうやら奪った武器を村民に買い取ってもらうらしい、こちらにデメリットは無いし、それで良いか。

でも通常価格より安くってのはやめてくれよ。俺は武器の価値が分からないんだから。


「シミターが1本で6800ポーンですので6本で10800ポーンになります」

「それ……と、クレイモアが1本で10000ポーンで……す……」


袋から次々と武器を取り出して買い取り金額を述べていく村民、しかし、クレイモアが重いのか袋から出すのに苦労している、それをレイがスッと取り出してしまうと村民はお辞儀してからさらに取り出す。


おいおい、あんたのどこにそんな金があるんだ?と言いたげにシルクが村民を見ていた、確かにそうだ、一村民である男が何万ポーンも払えるのか、おそらく盗もうなどと考えている訳ではないだろう、レイの怪力は村民本人も知るところだ。


盗んだら死ぬ。そんなことぐらい分かってるだろう


あれ?…………よく見るとレイと取引している男のジョブは「村民」ではなかった


ボンベイ 男

商人 Lv28 村民 Lv2

装備 無し


商人か。なるほどこいつはこの村に住む商人か。つまり冒険か何かでここを訪れる人を商売相手としているのか。


策士め!


そしてボンベイという男のセカンドジョブが村民、村に長年住んでいるからだな。

そういえば、


レイ 男

戦士 Lv4



まだレイは何もとっていないらしい、その点俺も盗みはやっていない。

そのため盗賊のセカンドジョブ


何か特別なスキルでもない限りは俺が盗賊になることはないだろう

しかし、シルクは銀の笛を拾っただけで盗賊ジョブがついたんだ、果たして俺にここから先の旅で何も拾わず盗まずの生活ができるだろうか。


「うむ、ずいぶんと簡単に盗賊のジョブはついてしまうんだな」


俺がそれとなく確認するように聞いた、村民は俺に疑問を抱いたのか逆に質問してきた


「基本的に盗賊ジョブがつくのは、『盗賊の華』に登録された物を拾ったり盗んだりした時ですが……」


盗賊の華?知らないな……俺は商人からシミターを見せてもらった。


おお、確かに、薔薇(バラ)の華に剣が二本刺さったような紋章が刻まれている。


「これが盗賊の華か……」

「さようでございます」

「盗賊の華とはその装備の持ち主がそれを盗まれた時に盗んだ者に盗賊ジョブを与えるという、言わば盗みを行った罰ですね。」

「そうなのか、ではこの銀の笛も?」


シルクが所持していた笛を取り出して村民に見せた、村民は深くうなずいた。


「はい、こちらも盗賊の華に登録された装備品でございます、しかし、盗賊の華が付いているかどうか簡単に判別できることから落ちていて拾う者はまず居ません」


村民が言うとシルクがビクッと体を揺らす。村民はシルクの反応に気付きやってしまったとばかりに訂正する。


「で、ですが盗賊の華は認知度が低くシルク様がご存じなくても不思議なことでは……」


くく、これは笑えるよ、知識人のシルク君。


シルクは不機嫌そうに寝床へと脚を運んだ。しかし、まだ寝るには早い時間だ。


明日、シルクは早くに起きて銀の笛を捨ててくる気だろう

しかし、そんなシルクにとどめを差す用に村民が言う。


「ご、ご処分する場合は王国に申告しなければいけませんのでご注意を・・20万ポーンくらいでしょうか……?」


シルクの顔から微笑みは消え去り完全に眠りについた、いや、死んだかもしれないな。



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