番外編 親切と横暴
本編とはあまり深く関係しませんが、レオナルドに転送される直前のお話です。
はい、正直今まで転送される経路考えてなかっただけなんですが。
ま、スタートです。
あ、すごい短いです。
「竜を………まじで言ってるのか?」
「ああ、大マジじゃわい……」
俺は竜を見たことがない。
だけど、いやだからか…造られた物語で見る竜以上の恐怖を感じている。
「で、交換条件で……」
しかし、恐怖なんかよりも、シュウに会いたいという気持ちが断然勝っている、というのも事実だ。
実際にレイは今回旅に出るということで兵団の長期休暇をとったらしい。
シルクはシルクで鍛冶屋の経営を弟に任せて伝説の素材を取りにいく、と意気込んでいる。
どこまで本気なんですかい………
俺は親も居ないし、この村でやり遂げたいことがあるわけじゃない。
だから……良い………かな。
と、俺の心は多少動いた
「しかし、そのままで旅には出さん、充実した装備で望むがいいさ。」
レオナルドにほしいものを書いてくるように紙を渡された、俺は下手な字で
「なんでも切れる最強の剣」と書いた。まったく幼稚だよな。
ちなみに過去にレオナルドが触ったことのあるものしか魔法で転送できないらしい。
シルクとレイは馬、地図、金、食糧など、旅に必要な物ばかり書いていた。
なんか恥ずかしい……俺だけ……
いや自分を責めても仕方ない悲しくなるだけだ
ここで言っておくのはなぜ俺・レイ・シルクの三人で転送なのか。と言うことだ
レオナルドが言うには転送は「三人でないと」駄目らしい。
二人も駄目だし、四人も駄目。必ず三人だけしか転送できない。
俺はパトと一緒に行きたかっ………
いや違う、俺は偉大なる勇者ニコ・オ・ランタンだ
俺は自分の欲を必死に押さえつけ真剣な顔をした
「では転送するぞ。」
「ああ!」
「あ、ちょっと待って蛙の貯金箱…」
「は?」
「なんでもない」
王様の庭に集まった俺たちはレオナルドが作った魔法陣の枠内にいた。必要な装備は馬以外全て袋に入れていた。
「転送場所は場所はワイトシェバルトの森だ、では、幸運を祈るよ」
俺たちがうなずくとレオナルドは何かを唱えはじめた
『聖なる神ユンボルよ、汝我に尊を与え試に立つ者達の一切の足枷を外し更なる力と幸運を与えたまえ、彼らの目前にて絶悪は栄えず、徒に亡びん。』
なんやら難しいな魔術師てのは……
ユンボルってのはなんだっけ、感情を司る神だっけか?
あ、そういえば、レオナルドに竜を討伐する理由聞いてなかったな。
そう俺が思って口を開いたとき、俺の意識は薄れていった。
そこで俺は思い出した。
「あ、蛙の貯金箱ってパトに壊されたんだった…」
1部と3部のサブタイトルを変更しましたが本編に支障はありませんのでご心配なく。