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お礼と茶の間

涙を流す村民に案内されるまま俺たちは村へと入村した、この村の住人は全体的にレベルが低い、しかし、昔はLv30を越える村民もいたとか。


「村を救っていただきありがとうございます、なんとお礼を申し上げればよいか……」

「そ、そうか」


今、ありがとうございますって言ったよね?

シルクは村民にここらの地理についてあれこれ聞いていた。

レイはレイで盗賊から奪った武器の品定めをしている、近くにある王国で売り飛ばすつもりなんだ。


そういえば、さっき盗賊を倒したときの経験値を確認してなかったな、俺は理解すると念じて自分のレベルを確認した。


ニコ 男

勇者 Lv3

装備 ファルシオン


あ、やっぱり上がってる、この調子のままどんどんレベルアップを重ねるか。それとも違うジョブを手に入れるか




どちらにせよ、冒険には欠かせない事項だ、まあ、追い追い決めれば良いか。


昔から決断力が無いと言われてきたがまさかこんなところで決断を迫られるとは


「長い旅を続けられたんでしょうか?やはりあの武勇から見て相当の実力をお持ちかと……」


うんうん、尊敬されるのに悪い気はしない。


どうやら村民は我々を長年の旅を経て実力を得た勇者一行だと思ってるらしい、二日前まであんたと同じただの村民でしたよ。なんて言えるはずもない


「まあ、そうだな・・・・」


くっそォ!罪悪感はないのかニコ・オ・ランタン!嘘などつく必要はなかっただろ!


俺の心中で天使と悪魔が喧嘩していた。しかし、本当に無意味な嘘だったと後で後悔した。


「いやはや、さすがでございます、盗賊を何人も切り捨ててしまいまして、いやぁ、感服いたします」


笑顔で話しかけてきたこの村民は俺を茶の間へと案内した。しばらくしてからお茶のような物を持ってきた。


「これは……オチャ……?」

「?…申し訳ございません、ニコ様が所望になられるのはオチャと存じますか?」

「いや、大丈夫だ」


あ、やっぱりお茶じゃないんだ、道理(どうり)で紅いと思った。


「こちらはミュスタという物でして、ニコ様のお気に召さないようでしたら下げさせますが……?」


ミュスタ……?

聞いたことないな、俺のいた村が田舎すぎるのか。


俺は紅く濁ったミュスタを一口飲んだ。村民の期待の眼差しが見てとれる・・・・。


お、おお!


美味しい………!


なんとも言えないミュスタの温度が風味を引き立てている気がする。


うーん、お茶よりは好きだな………。


「うむ、確かにお茶よりは美味しい、下げんでいい」

「さ、さようでございますか」


俺が思った通りに感想を述べると村民は少し笑った、どうせなら美しい女性の笑顔ください。


村民は「では、ここで」と言い残して茶の間を出ていった、もう少し居ても良かったんじゃ……


すると替わるようにこの村の村長が現れた。


村長 男

Lv11


村長の割にレベルそこそこて・・

この人の場合年齢が71歳ということがあっての村長だろうが。


そういえば村長と村民のジョブに違いがあるのだろうか?、あるいは全く同じものだろうか、しかし俺が「理解する」と念じて浮かんできたのは「村民」ではなく「村長」だ、やはりなんらかの違いがあるのだろう。


「ニコ様はいつこの村を出ていかれるのでしょうか……?」


ん?村長から話しかけてきたぞ

俺は返答に困った、レイかシルクに聞いておけばよかった………。


「うむ、まだ決めておらん、明日かもしれんし、10年後かもしれんし。」


さすがに10年はないだろ。


と思っているだろうが村長は話を聞いている。


「レイ様とシルク様もニコ様にお聞きしろと申しておりましたが……」

「あ、そう……」


気まずくなってしまった、どうやらレイに聞いてシルクに聞いて最後に俺に聞きに来たらしい、でもそういう事はシルクが決めるんじゃないの?。


「あ、明日だ。明日出発する…」


あ、独断してしまった、さすがにまずいか……


「わかりました、今日の内に馬車を用意させます」

「わかった」


俺はすぐに了解した。


・・・・・・・・・。


え?馬車?

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