#29 FINAL
すると
「……今、その人はどこにいる?」
「大貧民Cグループです」
「……では、特別だ。そこの職員と共に行くがよい。でも、面会後すぐに消すからな」
「ありがとうございます」
どういうわけかあっさり許可が下りた。
佐藤は、先ほど一緒にゲームをしていた女性職員を指差した。
彼女と共に行く大貧民Cグループ-沖縄に向かった。
しばらくして、沖縄に着いた。
「では、私はここで待っていますが、60分以内に戻ってきてください」
女性職員は一緒に来ないようだ。
「ありがとうございます」
俺は一礼して、近くに置いてあった自転車に乗ってユミコのところへ向かった……。
人間とは思えないスピードで自転車を走らせること数十分。
「ユミコ……さん……」
俺はユミコのところに着いた
「……あぁ、生きてたの!? よかったぁ~」
「う……うん。今日は魚肉ソーセージ持ってきてないけど」
ユミコはうっすら笑みを浮かべた。
「あなたさえ居れば、他になにもいらない……」
ハグしながらそう言った。
周りは冷えっきているのに、ユミコの身体は不思議と暖かい……。
優しさで包まれている気がした。
大富豪になって気づかされた。
大国銀行は、ずっとわからないだろう
お金では買えないが世界を救えるもの……それは『愛』だ。
俺はユミコに出会って、『愛』を強く実感した……。
END




