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#28
「う、うそだ。……俺が、負けた……。俺が負けたのか!?」
持っていたトランプを床に落とした。
その様子は、希望が絶望に変わる瞬間だった。
ユミコにも逢えない……。
「あぁ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
両手で頭を抱え泣いた。
「勝手に施設に入り込んだ罰ですね」
佐藤が、ほくそ笑んだ。
「では、お約束通り、あなたを消します」
そういいながら佐藤が出したのは、ガトリング銃だった。
俺は反逆する勇気がなかったが、
「あの……、負けたのは認めます。でも最期に逢いたい人がいるのですが……」
と言ってみた。




