15/30
#14
「う、うそ……あたしが、負けた……。私が負けたの!?」
持っていたトランプを床に落とした。
その様子は、希望が絶望に変わる瞬間だった。
「あぁ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
両手で頭を抱え泣いた。
そんな中、ゲームは平然と進み、
Aプレイヤーは、♦Kを出した。
その後Bプレイヤーがクローバー2を出し、その後に❤Qを出して上がった。
正直な話、残りの2人の順位なんて……どうでもいい。
大貧民であることには変わりはない。
でもどこか実感が湧かない。これは夢なのか。
残念ながらこれは現実。
その証拠に大貧民となったXプレイヤーのドレスが、
職員の手によって剥ぎ取られていく……。
気づいた時には、下着姿になっていた。
そのままXプレイヤーは、建物から去って行った……。これが都落ち。
「では、これを持ちまして大富豪⇔大貧民12月大会を終わります。後程手続きを行いますので、少々お待ちを」
鈹田は去って行った……。
それから数時間後。手続きは終わった。晴れて俺は、大富豪になった。




