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09 バイト挑戦!

◇◆◇


放課後、いつものように夏奈と一緒の帰り道。

私も夏奈も学校から自宅まではバスで20分ぐらい。


そこそこ混雑する車内で夏奈に打ち明ける。


「そういえば、私バイト始めよっかなって思ってるの」

「えーーー!急にどした!?」


まぁそうなるよね。

私も急に思いついちゃったんだもん。


「ん-。ほらうちってお金ないからさー。将来に向けて?大学とか専門とか行くなら今のうちからお金貯めておこうかなって。」


以前からこれは割と真面目に考えてたんだよ?

奨学金という選択肢もあるけど、できることなら今のうちから少しでも貯めおきたい。


「相変わらず有希は真面目だねぇ…。何のバイトするの?」

「学校の帰りのバスから見えるおっきい本屋あるじゃん?そこが募集してたから応募してみようかなって。お母さんも書店なら、って言ってくれたし。」

「あー、あそこか。カフェにはよく行くけど、本あんまり買わないからなぁ…」

「夏奈は紙より電子だよね」


今時漫画以外を紙の本を読んでいる学生はそんなにいないよね。


「そうそう。寝る前とかついスマホで読んじゃうん。でも、有希が働くなら今度行ってみようかな」

「来て来て、サービスするよん♪」

「本屋でサービスって何それ。1冊買うと2冊目半額とか?」

「おーいいねそれ。あとは今ならもう1冊おまけします!とか?」

「同じの2冊とかいらないし!」


なんて話をしながらバスに揺られること15分、自宅の最寄りバス停に着く。


「じゃあまた明日ね~」

「ばいばい!」


夏奈はもうひとつ先のバス停なのでここでお別れ。


ちなみに後から知ったのだけど、本を半額で売ることって基本的にできないんだって。

委託販売制度と再販制度というものがあって、出版物は原則として出版社が定めた定価での販売が必要な一方、自由に返品できるようになっているのだけどそんなこと知らなくても面接には受かるので安心してほしい。


「さて、応募してみるか」


バスを降りた私はスマホで書店のホームページを開く。

アルバイト募集のバナーをタップし必要事項を入力して送信する。


〈―――3営業日を目安に担当者からご連絡いたします。〉


自動返信のメールが届いたところで謎の達成感。

いや、まだバイトできるってきまったわけじゃないんだけどね。そも面接すらまだなんだけど初めて社会に出る第一歩って感じで、なんかほら。ね。


応募が完了したとこで夏奈に報告。

メッセージアプリを起動。


ゆー   『応募完了。』

かりーにん『健闘を祈る!面接の日決まったら教えてよ!お祝いしよ』

ゆー   『何祝い(笑) でもありがと』


ゆーが私でかりーにんが夏奈。

なんでかりーにんなのかは…説明すると長いから本人に聞いてみて?


バスを降りて自宅までは5分ほど。

途中にあるコンビニに立ち寄りファッション誌を冷やかしつつ、週刊の漫画雑誌を手に取る。

テイキューの最新話はサブスクの電子書籍でもう読んだけど、今週はテイキューが表紙だもん。

スマホ画面じゃなくてB5サイズの紙面でちゃんと見たいわけ。


いやー今週もみっちーマジかっけぇす。眼福眼福。

さぁ最近70円に値上がりしたガリガリする食感のアイスを買って残りの帰路を歩こう。



それから2日後、応募した書店から面接の連絡がきた。



ーーーーー

豊平様


この度はアルバイト募集にご応募いただきありがとうございます。

店長の兼平と申します。

 

応募内容を拝見しましてぜひ面接をさせていただきたくご連絡いたしました。

〇/〇13:00のご都合はいかがでしょうか?


ご返信お待ちしております。

よろしくお願いいたします。

ーーーーー



おぉ!兼平さんからのメール!

なんだか緊張するなぁ…。


えーと、なんて返そう。

お世話になっております、でいいのかな?



ーーーーーー

お世話になっております。

豊平です。


ご連絡ありがとうございます。

承知いたしました。

〇/〇13:00にお伺いいたします。


当日はよろしくお願いします。

ーーーーーー


これでおっけい。

あ、履歴書書かなきゃ。 

氏名、住所、学歴…と、自己PRって何書いたらいいんだろう。

夏奈に聞いてみるか。

そう思いスマホでメッセージアプリを開く。


ゆー   『ねぇ、あたしの長所って何?』


すぐ既読がついた。


かりーにん『脱いだらすごい』


おい。


ゆー   『履歴書に書くの!』

かりーにん『あーね笑 そうだなぁ…』


ほら、あるだろ色々。

自分じゃわかんないけど。

6年間一緒にいるんだから。なぁ?


かりーにん『………気立ての良さ?』


お見合いか。


ゆー   『どういうこと笑』

かりーにん『いやほら、学校でもみんなに色々気配りしてるじゃん?』

ゆー   『気配りってか別に普通じゃない?』

かりーにん『自覚無し?笑 まぁ自然とできるところがゆきのいいとこだよ♪』

ゆー   『えぇ…そうかなぁ。まぁありがと!』

かりーにん『ってか面接決まったんだ?』

ゆー   『そそ。来週の日曜日だって』

かりーにん『おー、がんばれ~~~』


ということで自己PRは気立ての良さと相成りました。

あ、証明写真撮ってこなきゃ。

履歴書の写真はプリクラじゃダメっていうのは知ってるもんね。えっへん。


そんな感じで近くのスーパーで証明写真を撮り、

無事履歴書が完成した。


面接、うまく喋れるかなぁ…。

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