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転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話  作者: 桜井正宗


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第45話 結婚しています

 周囲に付き合っているということがバレた? いや、だけどまだ半信半疑らしい。それもそうだ。周囲から見たら、陰キャぼっちの俺と美少女転校生である『小桜』と付き合うなんて現実的にあり得ない。


 だが、実際は結婚までしている。

 真実までは知られていない。


 だからこそ、修正を図るべきだ。


 俺と遥は“付き合っていない”と――。



「というわけだ、俺と付き合っていないことにするんだ」

「ごめん、それは無理」

「な、なぜだ! 危機的状況なんだぞ」

「別にいいじゃん、付き合ってるくらいなら。結婚がバレたわけじゃないし」

「けどなぁ」

「遙くんは周囲を気にしすぎだよ~。それより、勉強を続けましょ」


 いやだけどな……うーん。でも、そう言われると結婚してます――なんて同級生に漏らしたところで信じて貰えるわけがない。


 普通、学生で結婚なんてしないしな。


 そうか、俺は深く考えすぎていたのかもしれない。今は、とにかく遥の転校を阻止せねばならない。そっちが最優先事項なのだから。



 * * *



 それ以来、クラスメイトから疑われつつも俺は遥に勉強を教え続けた。来る日も来る日も勉強。


 ――そして、ついにテスト日を迎えた。


 ここまで全力で支えたつもりだ。

 あとは遥次第なのだが徹夜もしたのか、かなり自信に満ちていた。これならイケるかもしれない。



 ついに最後の数学のテストを終え――全員脱力。



「……はぁ、やっと終わったな」

「つ、疲れたぁ……もう脳が限界だよ」



 前の席の遥は、机に伏せて抜け殻になっていた。魂抜けてるな。


 あとは結果を待つのみ。


 果たして『百点満点』が取れているかどうか。



 ・

 ・

 ・



 ――午後になって結果が出た。


 俺は96点という、それなりの点数を取れた。十分だな。


 さて、あとは遥だが……。



「遥、どうだった?」

「………………」



 遥は石化して微動だにしなかった。



「ちょ、ウソだろ!? まさか、100点じゃなかったのか!?」



 あれだけ頑張ったのに、ダメだったのか。くそう、俺がもっとしっかりしていれば――ん?


 遥はテスト用紙を向けてきた。


 俺はその驚くべき“点数”に目ん玉が飛び出そうになった。



『100点』



 ――マジか!!



「や、やったよ……遙くん!!」

「おおおおお!! 遥、よくやった!!」



 抱き合って喜びを分かち合った。

 周囲のクラスメイトが何事かと騒ぐけど、そんなことはもうどうでもいい。遥との学生生活が続けられる。それだけ十分だった。



 * * *



 放課後、遥は直ぐにスマホを取り出しママさんへ連絡。もちろん、証拠を撮ってラインにも送った模様。これでもう認めるしかあるまい。


『――無事に100点が取れたのね』

「うん。これで転校は無しだよね」

『仕方ないわね。今の学校でがんばりなさい』

「やったー! ママ、ありがとー!」

『だけどね、恋愛は許しませんからね』


「え」


『お見合いは仕方ないとしても、学生の身分で恋愛なんて絶対にダメ』

「ごめん、ママ。わたし、好きな人いるから」

『な! なんですって! まさか、田村くん!?』


「ううん、違う人。そのうち紹介するから――じゃあね」

『ちょっと、待ちなさ……』



 遥は、一方的に電話を切った。

 そうだな、もう条件はクリアしたんだ。文句はないはずだ。



「遙くん、帰りましょ。わたし達の家に」

「そうだな。また一緒に生活ができるんだよな」

「うん。だから――」



 手を繋いで学校を出ていく。

 茜空が目に染みるくらいまぶしくて――でも、俺たちを祝福しているようでもあった。明日がまたやってくる。


 マンションに戻り、部屋の前で遥は足を止めた。



「どうした?」

「遙くん、今日まで勉強を教えてくれてありがとう」

「お安い御用さ。遥と離れ離れなんて考えられないし、もし転校になっていたとしても駆け落ちしていたさ」


「うん。わたしもそうしてた」



 気持ちは同じだった。

 そうだ、俺と遥なら頑張れるし、これからも幸せな毎日を送れる。



 恋人を繋ぎをした。


 抱き合って――、

 お互いを見つめ合う。



 宝石のように(うる)んだ瞳。

 遥を抱き寄せ、その唇にそっとキスを。



 俺たちは“結婚しています”――。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。以上をもって完結とさせていただきます。十分すぎるほど応援をいただけ、なにより最後まで読んで戴けたことに感謝しております。


また新作なども追って戴けたら幸いです。


【お知らせ】

番外編追加予定!


【新作】

ギャルと物々交換はじめたら『本人』と交換するまでに至った話

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― 新着の感想 ―
[一言] 続きが気になりました。おかあさんに認めてもらえるのかしら?と。 愛情溢れるとこ、読んでて楽しかったです。ありがとうございます。
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