4.
「なんて素晴らしい人なんだ……」
「え……」
私はカーティス様の言葉に驚いた。
「愚弟の行動は誰が見ても目に余るものだが、まさか自らそれを止めるなんて、なかなかできることではない。私も弟の行動には困っていたのだが、止めてくれて助かったよ。ありがとう」
カーティス様はそう言うと、なんと私に頭を下げた。
「え……」
これには驚いた。
まさか、侯爵子息様であるカーティス様が私なんかに頭を下げるなんて。
「君は、本当に素晴らしい人だ。皆のために、立場が上である愚弟に立ち向かうその勇気、優しさ。なんて美しいんだ。私は今、感動している」
「え……」
「正直言って一目惚れだ」
「え……」
「さっきも言ったが、君は本当に素晴らしい人だ。私は、人のために行動する君の心に惚れたんだ」
「え……」
「もちろん、内面だけの話ではない。君は見た目も美しいし、私の好みにピッタリだ」
「え……」
「正直言って、屋敷に連れて帰りたいくらいだ」
「え……」
「というか、本当に屋敷に連れて帰ろうと思うのだが、いいだろうか?」
「え……」
「よし、では行こう」
ということで、私は屋敷にお持ち帰りされることになった。
驚きの連続で私は、「え……」としか言葉を発していなかったのだけれど、成り行きというのは恐ろしいものである。