昭和の日ニュース
こんばんは。七時のニュースをお伝えしております。
続いては、昭和の日にちなみ、かつてのナウいヤングにはおなじみの言葉をご紹介いたします。
流行当時の懐かしい映像と共にお楽しみくださいませ。
「ここは俺に任せて先に行け!」
「しびれる~」
「そうと決まれば、レッツラゴー!」
この映像は、危機的状況に陥った三人組のうち、リーダー格の一人が囮となり、他の二人を逃がすシーンでございます。
この場合の『しびれる』とは、感覚の麻痺を表すものではなく、潔さや格好の良さに感激して思わず身震いする様を伝える言葉です。
続く『レッツラゴー』は、英語のレッツゴーに、囃子詞のラを付加した造語になります。
「まったく、冗談はよしこさんだよ」
「先輩、タンマ、タンマ!」
「えらいやっちゃ、えらいやっちゃ!」
こちらの映像は、笑えない冗談を言ったことに腹を立てた上級生に対し、下級生が猶予を求め、もう一人が面白がって煽動している場面でございます。
『タンマ』は、聞く耳を持たない相手に対してコチラの言い分を伝えたい場合や、先行する相手に待ったをかける場合に、『えらいやっちゃ』は、大変なこと、困った事態になっていることを周囲に吹聴したい場合に用いる言葉です。
その前の『冗談はよしこさん』は、冗談は止せに、語尾の似ているよしこを付加し、更に敬称を追加して語調を強めた造語になります。同じような表現に、理解不能である様を表す『わけわかめ』や、相手の提案に対する承諾を表す『合点承知の助』、軽い謝意を表す『アイムソーリー、ヒゲソーリー』といった言葉遊びがあります。
「おはこんばんにちは~」
「へい、らっしゃい! おや、旦那さん。今日は、どういった用件で?」
「いやぁ、実は上司が郊外に一戸建てを普請してね。ご進物の一つでも持って挨拶しなきゃならねぇと思うんだが、手頃な物はないかい?」
「なるへそ。それじゃ、こういうのはどうだい?」
「おお、ばっちぐーだよ。お幾ら万円?」
今度の映像は、近所に住む常連の顧客が、なじみの店で買い物をする風景を切り取ったものでございます。
『おはこんばんにちは』は、おはよう、こんばんは、こんにちはの三つの挨拶を掛け合わせた挨拶、『ばっちぐー』は、共に宜しいという意味のばっちりと英語のぐーを足し合わせた返答で、似たような表現にバイバイとさよならを足して二で割った『ばいなら』という挨拶もあります。
続く『なるへそ』は、納得したことを伝える言葉で、なるほど同じ意味です。特に意味のない言葉に置き換えたり付加したりするパターンとしては、よろしくと同じ意味の『よろぴく』、うれしいと同じ意味の『うれぴー』、軽いうそであること、冗談であることを伝える『うそぴょーん』などがございます。
最後の『お幾ら万円』は、値段を問いかける場面で用いられる表現で、お幾らですかという意味です。映像では、このあと愉快な値切り交渉が始まるのですが、定価販売やキャッシュレス決済が当たり前になりつつある昨今では、もはや見られない光景でしょう。
この他にも了解の意を表す『アイアイサー』や、強い感動を表す『感謝感激雨嵐』、衝撃のあまりに発する『ガビーン』『ギャフン』『あじゃぱー』といったユニークな言葉もございますが、放送時間の関係で、今夜のご紹介はここまでといたします。
このあと七時三十分からは、多彩なゲストを招いての「連想ゲーム復刻版」をお届けいたしますので、引き続き、ご覧のチャンネルでお楽しみくださいませ。
以上、七時のニュースをお送りいたしました。