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どうしても会いたい。絶対に呼び出して。
ゾンビ語を使わずに伝えるのは難しい。
後は位置情報で確認して。それじゃあ待ってるね。妹の口振りはまるで女子高生だけれど、深くは気にしない。
僕と妹は、なぜか顔を見上げて見合わせて笑った。そして、大爆笑だった。
取り敢えず喫茶店を探す。お灑落すぎる喫茶店は嫌いだ。わざとらしさは味と対応にも現れる。
いい匂いがするね。と妹が言う。
いつの間にかお晝どきになっている。あちらこちらから漂ってくるいい匂いは、食慾を唆られる。
どこのお店がいいかな? 喫茶店って、どんなお店かな? お茶だけのお店なんて見當たらないよ。どこのお店からもいい匂いがしている。どこでもいいから入ろう。
妹の言葉には、半分が賛成だった。
僕は知っているんだ。喫茶店ではお茶は出ない。もちろん例外はあるけれど、大抵はコーヒーを出す。父親も母親も飲めないコーヒーだ。匂いは好きだけれど、飲むと體調が悪くなる。




