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髭面の男の会話に間ができた。今がチャンスだ。とういうか今しかない。僕は勢いよく椅子から立ち上がる。妹も少し遅れて立ち上がる。
ありがとうございました。
妹がそう言い、僕と二人で頭を下げる。
ひょっとして、お前がそうなのかい?
背中を向けて歩き出そうとしとき、突然言われる。どういう意味だ? 僕と妹の一歩が止まる。
まぁ、そんなはずないか。伝説のベイビーゾンビはまだ三歳だものな。君たちはもっと大きい。しかも一人はハッキリとした言葉を使う。
ベイビーゾンビの伝説には多くの間違いがある。突拍子のないものも多くある。なにを信じてなにを時違うかは人それぞれだ。この人のベイビーゾンビ像は、僕とは大違いで助かる。
振り返った妹が、お世話になりました。失礼いたします。そう言ってすぐに向き直って歩き出す。僕にチラッと視線を送っていた。僕はその後を追っていく。
どうやらこの人は、僕ではなく妹を疑っていたようだ。
気をつけるんだぞ!
その言葉に振り返ることはせず、頷きながら、はいと返事をした。




