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結局おじさんの家での収穫はなかった。とにかくおじさんを探すには動くしかない。じっとしていてもなにも始まらないことだけが収穫だったとも言える。
おばあちゃんの家に戻ったところで、事件が起きた。予想通り? そんなことはない。現実はいつだって想像の斜め上をいくんだって言われている。真上じゃないってところが面白い。
玄関から外に出た僕の目の前を、おばあちゃんが通り過ぎた。しかも高速で。もちろん一人じゃない。大きなスクーター型のオートバイの後ろに大きな男の人に抱えられて乗っていた。運転している男の人とお揃いの緑色のスーツを着ている。
なにが起きているのか分からない。けれど僕の心配事は一つしかない。おばあちゃんを助けなくっちゃ! 残念だけど、そうじゃなかった。妹はどこに? 連れて行かれてたどうすればいいんだ? 妹がいなければ・・・・ 僕はきっと、一人じゃなにもできない。
連れ去られて行くおばんちゃんを尻目に、僕はおばあちゃんの家の中へと急いだ。リョウちゃーん! いるんだよね! 返事してくれないと僕は・・・・ そこにはいるはずもないとの想いを抱きながらも泣き叫んだ。
僕は見ていた。おばあちゃんを連れ去ったオートバイの前を走る緑色の大きな車を。きっとあの中に妹がいるんだ。




