73/131
73、
おばあさんが僕たちのことを知っている。それはちっともおかしいことじゃない。おじさんから聞いたんだろう。
おばあさんは、おばあちゃんなの? お父さんのお母さんなの?
なんともまぁ可愛げのない言い方だね。正確にはちょっと違うじゃけどな、まぁそんなことはどうでもいいだろう。あの子もこの子も、あたしの息子であることに間違いはないよ。
やっぱり! そうだと思ってたよ!
妹はとても嬉しそうにそう言う。今にもおばあちゃんに抱きつくんじゃないって思うほどだ。現におばあちゃんはそれを警戒しているようにも感じられる。右足が一歩、後退る。
でも・・・・ 会うのは初めてだよね?
妹の言葉に感謝する。
・・・・そういうことになっているようだね。まぁ、会ったといっても生まれたその日に遠くから眺めることしかできていないからね。孫を抱っこさせてくれないなんて、酷い息子だよ、まったく。
そんな記憶はないけれど、嘘とは思えない。おばあちゃんの遠くを見つめるその瞳には、確かに赤ん坊の僕と妹の姿が写っているように見える。




