表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ベイビーゾンビ  作者: 林広正
72/131

72、


 僕は視線を移した。おばあさんにもそれと分かるように、わざと咳払いをしてから、ゆっくりとズボンの膨らみまで落として止める。

 おや? こいつが気になるのかい? 全く誰が電話してきてんだかね。あの子はここにはいないって言うのに。携帯電話を忘れるなんてあの子らしくはないんだがね、ちゃんと連絡はくれているし、なんの心配もしとらんよ。ただ、充電だけは切らさないように気を付けろとしつこいんだよ。

 おばあさんは聞いてもいないことまでペラペラと話し出す。

 ポケットから携帯電話を取り出したおばあさんは、僕に向かって画面を突き出した。なかなかにいい曲だろ? 誰が作った曲かは知っているかい?

 おばあさんが携帯電話を突き出す意図は分からない。そこには僕の電話番号が表示されているだけだ。音楽がよく聞こえるようにとの優しさだろうか?

 けれど僕はある予感を働かせている。それはきっと、妹も同じだ。その目が期待に輝いている。

 あたしはこの曲が好きなんだよ。ずっと好きだった。まさかこれほど有名になるとは思わなかったがな。

 それにしてもあんた達、いつの間にそんなに大きくなったんだい?

 突然の言葉に僕と妹は固まるしかない。このおばあさんはなにを言っているの? どういう意味?

 想像はできるし、本当は分かっている。けれど、そんなはずはないし、いつから気が付いていたのかも不思議だ。僕と妹だった少し前に気が付いていたけれど、確信ではない。なにせ僕と妹は、このおばあさんに会うのは初めてなんだ。生まれる前からの記憶がある僕が言うんだから間違いはない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ