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おじさんを探しているの。お父さんの弟なんだけど、もう二週間も連絡が取れなくて。
妹の言葉を聞いたおばあさんは、何故だか僕をじっと見つめる。
子供二人でかい?
なにか答えなくちゃとの思いはあるけれど、僕が喋ればゾンビであることがバレてしまう。僕は口を少し開けたまま、首を縦に動かした。
そうかい。変わった子供達だね。残念だけど、お探しのおじさんはここにはいないよ。
けど・・・・ おじさんの携帯電話がここにあるみたいだよ。
おばあさんの顔が歪んだ。
さっきまで聞こえていた音楽は今もう消えている。僕は手に持ったままの携帯電話に視線を落とす。いつの間にか呼び出しが終了していた。
おばあさんは僕が携帯電話を見ていることに気がついていない。今はじっと妹の顔を見つめている。
僕はそんなおばあさんに視線を向けて、そのままおじさんの携帯電話にリダイヤルした。
あっ・・・・
僕と妹が同時に声を出した。おばあさんの表情は変わらない。
おじさんの音楽が、くぐもった状態で聞こえてきた。それもとても近くから。どこに携帯電話があるのかの想像は容易だった。おばあさんのポケットの中。そこ以外には思いつかない。




