70/131
70、
なにしに来たんだ?
ドアは中から開けられたようだ。しかも、おじさんではない誰かの手によって。その声には聞き覚えがない。けれど、不思議と懐かしさを感じる声ではある。
誰?
まだ顔を見る前に妹がそう言った。
その言い方はおかしいじゃろうが。ここはあたしの家なんだからねぇ。
中から顔を覗かせながらそう言う誰かは、なんとなく父親にもおじさんにも似ているような気がする。
おじいさんは誰?
妹がそう言う。妹は僕が言いたいことを代弁してくれるようだ。
まったく、誰がおじいさんなもんかいっ。失礼な子だねぇ。あんたたちこそ誰なんじゃい?
一見するとおじいさんに見えるけれど、よく見ればおばあさんにも見える。本人ははっきりとは言わないけれど、その口ぶりからおばあさんだと分かった。




