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ベイビーゾンビ  作者: 林広正
66/131

66、


 僕はいつも、表に出るときはズボンの左前のポケットに携帯電話を入れている。

 あっ・・・・ ポケットは空っぽだ。いつも入れている場所に携帯電話がない。

 電車に乗る前に落としたり盗まれたら怖いねって言ってたよ。

 妹の言葉にハッとする。

 僕は慌ててカバンの中を確認する。そういえば、そんな記憶は確かにある。初めて乗る本格的な満員電車。大事なものはカバンにしまって抱え込むように待っていた。妹にも同じようにさせていた。妹は携帯電話を持っていないけれど、お財布は持っている。カバンの中にはお気に入りのおもちゃだって入っている。

 擬人化したネコのぬいぐるみ。僕はそう思っているけれど、妹には違って見えるようだ。宇宙からやって来たネコ型の知的生命体、エリニャンだそうだ。大昔にテレビでやっていたと父親が言っていた。そのぬいぐるみは、母親から貰ったと妹は言っているけれど、父親はそれまでに家の中でそんな物は見た記憶もなく、母親がどこかで買ってくるなんてあり得ないし、少し古びてはいるけれど汚すぎくもないので拾ったようにも感じられない。誰かに長年愛されてきた物特有の温かみも感じられる。母親に直接聞いても答えは返ってこない。僕は妹を信じている。そもそもゾンビは嘘をつけない。父親も当然のようにそう考えている。

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