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ベイビーゾンビ  作者: 林広正
64/131

64、


 僕と妹は、普通に門扉の脇の呼び鈴を鳴らした。

 誰もいないのかな?

 妹がそう言った。

 返事はない。

 僕はもう一度呼び鈴を鳴らす。

 やっぱり返事はない。

 人間用の門扉に手をかけてみる。

 ノブを右回しにカチャッと音がするまで回すことができた。

 ドアが開いているね。おじさんは中にいるのかな?

 妹の言葉に曖昧に頷きながら、僕は門扉を押し開き、中に足を踏み入れた。

 敷地の中は外見よりも広く感じられた。

 うわぁー。妹が思わずそんな声を出した。

 敷地内には二軒の家が建っている。向かって右側と、左側。どちらも大きくて、どっちがメインの家なのかが分からない。

 きっと右側の家におじさんがいると思うよ。

 妹がそう言った。その理由は僕にも分かる。右側の家の方が少し新しく、綺麗だった。左側の家は汚いってほどでも特別古いってわけでもないけれど、生活感を感じられない。誰かが住んでいるとしたら、右側しかないように思える。

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