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僕と妹は、普通に門扉の脇の呼び鈴を鳴らした。
誰もいないのかな?
妹がそう言った。
返事はない。
僕はもう一度呼び鈴を鳴らす。
やっぱり返事はない。
人間用の門扉に手をかけてみる。
ノブを右回しにカチャッと音がするまで回すことができた。
ドアが開いているね。おじさんは中にいるのかな?
妹の言葉に曖昧に頷きながら、僕は門扉を押し開き、中に足を踏み入れた。
敷地の中は外見よりも広く感じられた。
うわぁー。妹が思わずそんな声を出した。
敷地内には二軒の家が建っている。向かって右側と、左側。どちらも大きくて、どっちがメインの家なのかが分からない。
きっと右側の家におじさんがいると思うよ。
妹がそう言った。その理由は僕にも分かる。右側の家の方が少し新しく、綺麗だった。左側の家は汚いってほどでも特別古いってわけでもないけれど、生活感を感じられない。誰かが住んでいるとしたら、右側しかないように思える。




