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妹は、言葉を放つ度に上達している。
妹の見た目は、僕と変わらない。女の子は成長が早いと言うけれど、それだけでは説明がつかないと思う。僕だって、一般的な三歳児には見えていない。ちょっと小さい小学一年生。そんな感じに見られているはず。
おじさんの家、でしょ? おニイちゃんが一番心配してたから。
繋いでいた妹の手に、ギュッと力が込められた。
はやく探し出して、おうちに帰ろうね。お父さんとお母さんが心配するから。
妹の顔を見つめてみる。その視線が力強い。
最初は妹を連れて行けば足手纏いになると思っていたけれど、そうじゃないと今では思う。妹がいれば、早くおじさんを探し当てることができる。なんだか妙な自信が湧いてきた。
リョウちゃんは日本語が上手だね。僕も上手になりたいな。
僕がそう言うと、妹は笑う。
おニイちゃんはゾンビ語が上手じゃない! 日本語ならすぐ喋れるようになるよ。
妹の喋りが進化している。もうすでにカタコトを脱している。というか、父親やおじさんとなんら変わらない発音で喋っている。




