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ベイビーゾンビ  作者: 林広正
51/131

51、


 僕はすぐに動き出す。チャンスを逃したらお終いだ。躊躇いは、後悔しか生まない。

 寝室を出て、充電器を探した。充電器はすぐに見つかったけれど、フル充電されている充電器は三個目でようやく探し当てられた。

 まず初めに玄関に置かれている充電器を発見した。充電は空だった。その次に炊飯器の裏にあるのを見つけた。半分程度は充電されていた。

 そして、リビングのテレビの裏の電源コードに繋がっている充電器を見つけた。フル充電の灯りを確認して、嬉しくなる。

 お風呂場にその日の着替えが置いてある。前の日の晩に、母親が翌日の着替えを用意してくれている。僕は急いで着替えを済ませた。

 リビングに戻り、カバンを手に取って出かけようとした。カバンは常にリビングに置いてある。僕のカバンと、父親のカバン。妹のカバンもある。母親のカバンだけは寝室の押し入れにしまってあるけれど。

 カバンの中に充電器をしまった。

 トントン・・・・

 肩に感じるリズミカルな重み。

 えっ・・・・

 誰かが僕の肩を叩いている。父親にバレたのか? 言い訳を考えなくっちゃと、頭を言葉が駆け巡る。けれど、言葉は出せない。出てこないわけではなく、そもそも出せないんだけれど、今は、呻きすら出てこない。

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