表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ベイビーゾンビ  作者: 林広正
42/131

42、


 おじさんのいない生活は、初めはちょっと寂しかったけれど、意外と普通だった。そもそも妹が生まれる前は、それほどの頻度では家に来ていなかった。週に一度程度だった。

 おじさんが姿を表さなくなって三週間が過ぎた。父親はいつも通りだ。どうしてなの? それは流石におかしいと僕は思った。

 携帯電話のゾンビアプリでおじさんを検索した。けれど、おじさんのゾンビ化は確認されていない。抜け道を使っているのは当然だけれど、万が一を考えてみる。

 おじさんの家の近くを探してみる。そこにゾンビが集まっているかも知れない。

 おじさんの電話番号は登録してある。電話をすることはできるけれど、会話にはならない。生きているのかの確認はできるけれど、そもそも携帯電話の持ち主が死ぬと回収される仕組みになっている。携帯電話には生命感知機能がついていて、生命反応を感じなくなると役所に連絡が行く。そして回収業者がやってくる。二日間充電を忘れただけでもやってくる。もっとも今の携帯電話は充電が少なくなると音声で知らせてくれるため、健常時に忘れる可能性は少ない。音量をオフにしても、その知らせだけは音が出る。病気やなにかの事故に巻き込まれない限り、忘れることはない。死んでいれば別だけれど。ゾンビでさえ充電を忘れることはない。

 メールをすることもできるけれど、おじさんは僕のメールを読まない。読めないわけではなく、読まないように設定している。僕の書く文字は日本語で、その文法にも間違いはない。ゾンビ語でない限り、おじさんには読めるはずなんだ。

 おじさんが僕のメールを読まない理由は、分からない。けれど僕からのメールを読まないように設定しているのは確かだ。そもそもおじさんは僕が文字を読めたり書けることを知らない。ただ単純に、年齢によってメールを拒否しているだけかも知れない。僕は一度、おじさんにメールをしたことがある。届きませんでしたとのリプライがきて以来、おじさんにメールをすることは諦めている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ