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ベイビーゾンビ  作者: 林広正
37/131

37、


 日本人は基本的にノッペリとした表情をしている。そのためよく海外からはゾンビ顔だと揶揄されてもいる。

 けれど現実には、日本人の顔が意外なほどにしっかりとしていることが分かる。中毒患者系ゾンビのあやふやさに比べると、その違いは明らかだ。

 音楽の力でゾンビを変えることができると、おじさんは本気で信じている。その想いがゾンビに伝わっているんだと、父親が言っていた。果たして本当にそうなんだろうか?

 おじさんはゾンビが生まれる前から音楽活動をしている。それはつまり、僕が生まれる前からってことだ。

 当時からおじさんのライヴは評判がよかった。死人が蘇る。そう表現されることもあった。特に麻薬中毒やアル中の人間が多くやってきたは、その習慣を絶っている。

 それはとても不思議なことだった。当時のおじさんが利用していたライヴ会場は、まさにその温床とされる場所だった。音楽を聴きながらお酒を飲むと気分がよくなる人が多いんだ。楽しい気分が更に助長されるらしい。なんてことを父親は言っていた。麻薬やタバコも同じ理由だよと付け加える。

 けれどな、そんなのは嘘っぱちだとおじさんが言う。

 本物を楽しむのに、余計な嗜好は邪魔になる。本物の前では、それ以外は邪魔になるんだよ。だから本物を見ると偽物を捨てたくなるんだ。

 おじさんが言うにはだけれど、中毒になるってこと自体が偽物の証拠らしい。お酒も麻薬やタバコも、本物を選んでいれば中毒にはならない。それはまた、音楽も同じことらしい。

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