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ベイビーゾンビ  作者: 林広正
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25、


 ゾンビが狙っているのは、出産直後の僕の妹だ。なんとかして助けなければと思い、父親に訴えかけた。言葉にならない呻きで、想いを吐き出す。手遅れになる前になんとかしないといけない。大勢のゾンビが一斉に襲いかかってきたなら、対処なんて出来っこない。僕は感じていた。今までに見たことのない数のゾンビが、家の周りをウロウロしている。到底勝てっこない。そもそも僕は、ゾンビと戦ったことすらない。

 今にも泣きそうになっている僕を、父親は抱きしめてくれた。大丈夫だよ。なにも問題はないよ。お父さんがお母さんと結婚をした理由は、この日のためっだったのかも知れない。けれどちょっと不安もあるから、あいつを呼ぶとするかな。

 父親はそう言いながら携帯電話を取り出した。便利な品物だけれど、ちょっとした危険もついてくる。ゾンビは馬鹿だけれど、ゾンビになる前から使いこなしている携帯電話は使用できる。アプリを利用して、異変を察知する。

 携帯電話といっても、その機能は電話だけではない。まるでパソコンだよと父親が言う。電話付き携帯パソコン。父親はそう呼んでいるけれど、実際にはもっと普及した呼び名がある。

 携帯電話の中には、ゾンビ探知アプリが入っている。どこにゾンビがいるかがすぐに分かるんだ。

 僕たちは全員が普段から携帯電話を持っている。以前はそうではなかった。欲しい人だけが自分で買って使用していた。

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