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ベイビーゾンビ  作者: 林広正
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20、


 第四のゾンビは、そんな脳死系ゾンビが生み出した動物ゾンビで、第五のゾンビも同じくそんな脳死系ゾンビが生み出した植物系ゾンビだ。動物系ゾンビは、基本的に全くゾンビ菌を抑制しようとはしない。ゾンビ菌に支配された形で暴れまわっている。中にはきっと、僕のような動物ゾンビも現れるんじゃないかと期待をしている。なんせ僕は、最も動物系ゾンビに近いはずだからね。僕だけじゃなく、妹も同じだよ。人間としての理性を得る前からのゾンビだからね。そもそもは人間だって動物の一種類なんだ。動物系ゾンビもきっと、中毒を克服する日が来るはずなんだ。もしかしたらそれは、人類全体の克服よりも早いかも知れない。

 植物系は、基本なにも考えていないし、ゾンビ化したからといってその見た目や性質は変わらない。普通の植物がゾンビ化によって肉食になるなんてことはありえない。ただし、それと知らずに食べてしまうことはある。もちろん人間の場合もあるし、その他の動物の場合もある。動物の中には昆虫も爬虫類も含まれる。もちろん、魚貝類だって感染する。この世界の命ある生き物は、全てがゾンビ菌に感染する可能性を秘めている。青い血を流すカブトガニも例外ではない。

 僕と妹は、理性を得る前からゾンビだった。ゾンビ菌の行動を制御するのに、理性はいらない。と言うか、そもそも理性なんていう言葉が嘘っぱちなんだ。人間特有のもののように聞こえるけれど、生き物はみんな理性に塗れている。人間は特別じゃない。それはゾンビを見ていれば明らかだ。ゾンビ化した人間は、一部を除けば動物ゾンビとの違いはない。むしろ本能のままに生きる動物の方がよほど理性的と言えるのかも知れない。

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