表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ベイビーゾンビ  作者: 林広正
14/131

14、


 僕はゾンビと人間が共存できればと本気で考えている。その想いは、父親には伝わっている。母親は少し、なにを考えているのか分からない。

 ゾンビ化すると、言葉を話すことが難しくなる。言葉を理解することも、言葉での交流も望まない傾向にある。

 面倒なんだと思う。

 脳の働きはコントロールされずとも、言葉を発するための喉や口の動きも呼吸もゾンビ菌の支配下にあるからだ。

 その点僕は少し他のゾンビとは違う。ゾンビの中で唯一生まれる前からゾンビ菌を保有しているのが僕なんだ。と言ってもそれは、妹が生まれる前までの話で、今では唯一ではないんだけれどね。

 けれど僕だけと言える点は確かに存在する。僕だけは、誰からもゾンビ菌をうつされていない。妹は、母親からうつされている。お腹の中に芽生えた時から、その血液内にはゾンビ菌がいた。それは確かに他のゾンビとは異なる点だけれど、母親がゾンビだからこその特徴だ。父親がゾンビの場合は少し違う。ゾンビ菌を保有して生まれてくる場合もあれば、そうでない場合もある。その理由は、意外に簡単に解明されている。母親がゾンビの場合は、人の形になる前の卵の状態からすでにゾンビ化しているから、生まれてくる子供は必ずゾンビになる。けれど、父親が作り出す子には血液が流れていないため、ゾンビ化されていない。母親との子作りの際に感染することはあるけれど、それはまず母親が感染をして、その後に子供へと感染するのが一般的だ。父親からのお腹の赤ん坊への直接感染は、今のところ確認されていない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ