マリオットの悪戯
ナーブール村を匍匐前進でギリギリまで近づき観察を終えたセーラを待っていたのは、操り人形のマリオットと、死の標的の【警告の鎖】ワニーチェンの部下であるバーテンダーの二人だった。
「どいういう組み合わせなのかしら?」
バーテンダーは、護衛なのか監視のためなのか、付かず離れず近くにいたのは知っていたが、マリオットが何故?
「なんか冷たいなぁ。セーラちゃんが仕出かしたこと、セーラちゃんの部下を守ってあげたことを報告しに来たのさ」
マリオットに聞いたのが馬鹿だった。バーテンダーを睨む。
「何故私が説明を…。セーラ、君が癇癪を起こして殺した女性は、奇しくもセーラと同じ理由で産み落とされた、お姫様だったんだよ。そして、君の着衣、それがお姫様の証ってやつだ」
「お姫様を探しに来た国の諜報部員が、クビチョンパされたお姫様の遺体を発見して、怒り狂って…セーラちゃんの部隊を攻撃したわけ」
「マリオット様。話したいのなら、全部説明してくださいよ…。その諜報部員と小隊の力量は歴然だった。仕方ないので、初撃から支援し、諜報部員を皆殺しにした」
まぁ、部下など全滅しても構わないんだけど、この二人には意味があったのかな? イマイチ話が見えないな。
「正直、君が殺したお姫様を操り人形に勧誘しようとしたんだけどね」
「なるほど!」掌を拳骨で叩く。
「でも、どうやら、魂はセーラちゃんの中に吸収されてしまったようだね」
何故に戦場にいるかと言えば、死の標的の神具を取得するため、人間の魂を集めている最中だから。
「むむ? セーラちゃんの他に誰かいる?」
流石は腐っても神具持ちだ。見事にアリーナの存在を見極めた。
「相変わらず面白いね。セーラちゃんは。そうだ!」
何か閃いたマリオットは、警戒している私よりも早く動き、私とバーテンダーを支配下に置いた。
「ふふっ。まだまだだね、セーラちゃんは」
マリオットは、私の体を操り、怪しげな液体を飲ませた。
「それ、不老長寿のお薬だよ。これで、いつまでも一緒。子供のままだね! それと…フェリの魂も表に出しちゃおうよ!! そうすれば…もしかしたら、神具を2個持てるかも!?」
一度、アリーナの魂を混ぜ合わせたからか? 【命の天秤】の神具に頼らず、マリオットは、魂の融合を開始した。
「や、やめろ…。苦しい…」
「ほら、頑張りどころだよ。セーラちゃん!」




