寝てたら終わってた
「あちゅいでしゅ!」[暑いです!]
早朝からベッドの上に降り注ぐ夏の強烈な日差しに起こされ、汗ばんだパジャマを脱ぎ捨てると、白地に水玉のワンピースに着替える。うん、夏なのだ。
って、違う!! 人外は!? 盗賊団は!? どうなった!?
慌てて外に飛び出そうとしてドアに手をかけた私を、父親はライズが止めた。
「外出禁止令が発動中だ。いや、わからんか。兎に角、外に出るのは駄目だ」
お兄ぃにも手を掴まれてしまう。
「外は、本当に危険なんだよ」
外に出れないため井戸も使えず、朝食はパンと干し肉と少しの水だけだった。
「外出禁止令が、いつまで続くかわからん。水は無駄遣いするなよ」
「水瓶に入っている量だと、2日ぐらいしか持たないよ」
「わかったが、兎に角、節水だ。それとセーラから目を離すなよ」
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結局、家族から詳しい話を聞き出せず、外出禁止令が解除された後に盗賊団から詳細を聞く。
「えっと、公的発表は…」
公式で発表された情報によると、要石は全て正常に機能しており、外部からの侵入とは言い難い。また発生地点は、被害状況からフレーダ男爵の屋敷付近と特定される。
人的被害は、死者は1,673名、行方不明者は約300名。重軽傷者3,401名。
住家被害は、全壊43棟、半壊233棟、一部損壊1,786棟。
犯罪状況は、空き巣54件。
ここまで被害が拡大した理由を下記のように述べている。
・夏祭りの開催中で人出が多く、人外が結界内に出現したこと。
・人外に襲われた人間が、一定時間後に人外化し、被害が拡大したこと。
・人外と人間の区別が付かず、討伐に時間がかかったこと。
各貴族たちの私兵とオーデルの警備兵で西側を封鎖したことで被害の拡大を防いだ。そして、夜が明けて人外が街の通りから消えると、一軒ずつ建屋内に隠れた人外を判別するため、住民を要石まで連れて行くという時間がかかるが確実な方法で、オーデル内に潜む人外を一掃したのだ。
「わかったでしゅ。おまえらのせいかは?」[理解ったです。お前らの成果は?]
「は、はい…。えっと、56名中13名が死亡。怪我人は31名です」
「しょんなことはきいてにゃい!!」[そんなことは聞いてない!!]
「ひ、ひぃぃぃっっ!!」
「はやく、ふれーだしょうえんのけっかをいえ!」[早く、フレーダ荘園の結果を言え!]
「はい! 目撃者は全て殺しました。金庫内にあった資料は、こちらに。また強奪した金貨は、街からのと合わせて、金貨2,137枚です。銀貨は3,873枚…」
「あしがちゅかないように、いえをかりられるか?」[足が付かないように、家を借りられるか?]
「はい。可能です」
「そのいえに、しりょうとかくこうかを800まいずつかくしぇ。のこりのげんびゅつとこうかはしゅきにしりょ」[その家に、資料と各硬貨を800枚ずつ隠せ。残りの現物と硬貨は好きにしろ]
「はい」
「いえはきょうじゅうにてはいしゅるのでしゅよ」[家は今日中に手配するのですよ]
「はい!!」




