表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/44

諦めない幼女

「ママは、ウバでしゅ」[ママは乳母です]


「あぁ…。乳母に教わったのかよ。確かエイラって女だ。評判は良いな」

「何だかよ、このガキが、可哀想になったきたぜ」

「じゃ、お前が育てるのかよ?」

「いや…無理だろ…」


 リュートを渡された。前世で幻の楽師と言われた白昼夢のシュレに弟子入りした私は、心を掴む音を手に入れた。人間の脳はある音階により、睡眠欲や性欲と言った欲望を抑える理性を、強制的に解放させることが出来るのだ。ただ…その演奏を…3歳児で再現できるかが鍵となる。


 意識を超えてた先にある…理想郷へ誘う…夢幻の旋律…。3歳児では、歌詞をまともに発音できないため、鼻歌とする???


 しかし、安酒で酔った…盗賊には、十分な効果があり、バタバタとテーブルに突っ伏す。


「おねんねでしゅか?」[おねんねですか?]


 ここでナイフなどで止めを刺しても良いのだが、痛みは眠りから覚醒させる可能性がある。最初の一人が騒ぎ出し、残りの三人が起きたら、結局詰んでしまうのだ。


 この部屋に大量にあるアルコールランプの燃料を四人に満遍なくかける。


(次に目覚めたら、エンドレスファイヤーダンスですよ!?)


 何だか楽しくなってしまい。部屋中にアルコールランプの燃料をぶちまけた。しかし、この無駄な時間が私をさらなる窮地へ追い込む。


(ぐっ!? 新手か…)


 私は、ランプを手に取り、部屋の隅に移動する。


「おいおい、こりゃ…どういうことだ? このガキ…バデル達を焼き殺そうとしていやがったぜ?」


 エンドレスファイヤーダンスを見たくて、注意散漫だった。かなりの隠密の使い手なのか、私に気配を悟らせることなく、この部屋まで近づき、一部始終を見ていたのだ。


「ボス? どういうことです?」

「どうやったか知らねーが、バデル達の意識を奪って、アルコールランプの燃料をぶっかけてやがった」

「はっ!? このガキがですか!? バデルは毒でも盛られたのか?」


 ボスの登場か…。それともう一人。今なら、このランプを投げて、更に火薬を投入すれば、逃げられる可能性がある…。


「ボス? どこですかぁ!?」


 不味い、ぞろぞろと人数が増え、通路が塞がれていく!?


「こっちだ。宝物殿だ!!」


 唯一の出口が、盗賊たちで埋め尽くされた。もう迷っている場合じゃない!!


 テーブルにランプを投げ、割れたランプから溢れた火で、寝ていた盗賊四人に着火させる。そして、太ももから小袋の火薬と携帯用発光玉を取り外し、燃えているテーブルに投げ込んだ。


 強烈な発光と炎の壁で、廊下にいた盗賊たちの視線を遮る。その隙に、宝物殿(笑)にある大きな宝箱の中に身を潜めた。


「なんてこった!! 火が服に!!」

「火だ。火を消せ!!」

「水だ。バデル達が死んじまう!!!」


 宝物殿(笑)は、可燃物が多いため、一気に火が燃え広がる。私も死ぬかも知れないが、一か八かの大勝負なのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ