28話 修学旅行に向けて
テスト週間が始まった。ここから2週間は勉強会は開かず自分で勉強することになっていた。
テスト週間初日の放課後、勝負をしかけた4人は自室で勉強をしている…と零は思っていた。
――雨宮の部屋――
はわわ…自由時間、何をしたらいいんだろう…
玲奈さんとかに煽られてあんな勝負を仕掛けることに乗ってしまったけど…零くんと二人きりなんて何をしたら…。
いやいや、なんで私、顔を赤くなんかしてるの!別に普通の友達じゃない!
そ、そうよ、クラスに入ってきてからのことを感謝してもてなすことを考えるだけ…
でも…1時間だから、回れる場所は1つになるよね。どうしよう…ここは普通に金閣とか法隆寺とか…?
でも普段オタクな零くんはそういうの興味ないんじゃないかな…となると、京都とかでそういうものを見て回るほうがいいのかしら。でもそれだと私はどうすることもできないし、やっぱダメ!
のんびり歩いて話すくらいがちょうどいいのかな…。
――大宮の部屋――
この自由時間で零くんのハートをわしづかみにしないと…!
京華ちゃんは本人は気が付いていないと思うけど前々から零くんに気があるみたいだし…
この前、零くんとれいにゃんを二人きりにしたときかられいにゃんも妙に積極的だし…
さーちゃんは…大丈夫かな?
でもなんであの二人があんな簡単に心を許してしまったんだろう…そういうタイプじゃなかったのに…
……零くんは誰か好きな人とかいるのかな。
――高宮の部屋――
ふっふっふ…段取りは順調ですね…
3人を焚き付けて、沙彩さんの分まで私が時間をもらえば、京華さんと飛鳥さんは1時間なのに対して、私は2時間も一緒に居られる…♪
多分あの二人は王道を行くでしょうから、零さんと一緒に観光でもするはず…となると私はその逆を行って、ホテルの部屋の中で二人きりに…
となれば、久しぶりにあの手を使いましょうかね…零さんは簡単には落ちてくれそうにないですし…反対にあの手ならたとえ零さんでも…♪
こうなると楽しくて仕方がありませんね…修学旅行が待ち遠しいものです。
なんとしても零さんを私に…
――音宮の部屋――
うーん、れーちゃんに100点取って、その分私に時間を…って言われたけど、何をしたらいいんだろう~。
普段勉強とかしないしなぁ…
っていうか、私が勉強する意味ないじゃん!どうせ勝っても何もないんだし!
…あっ、でも負けると零っちの部屋に行けなくなるのかぁ…それは少し困るなぁ…
……っていうか、なんであの3人はあんなに本気なんだろう…やっぱり零っちのこと好きなのかなぁ…
まあ、私には関係ないか…適当にがんばろ~。
――4人は全く勉強のことなど考えていなかった。
ちなみに…
――零の部屋――
おー!このラノベ面白いな…!ネットで評判になっていただけのことはある!
ストーリーも面白いし、文章も面白いし、何よりそれぞれのキャラがかわいい!このキャラデザ(キャラクターデザイン)は完璧だな!
ありがたいことに、Sクラスにいるおかげでお金にはあまり困ることもないし、これはまた買うとするかな。
…そろそろ本棚も限界が近づいてきたかな…また新しい本棚を買わないとな。もちろんラノベ専用の。
というか、あいつらはこの修学旅行で何をするつもりなんだろうな。1時間で良くて、京都じゃないと買えないものというと…なんだ?木刀か?それとも女の子じゃ恥ずかしくて買えないようなものか?
でもなんか嫌な予感がするんだよな…特に高宮とか。あいつのことだ、何か変なことを考えているのは間違いない。
とりあえず、あいつらが100点を取らないことを祈るしかないな。
間隔が空いてしまって申し訳ありません…
ここから修学旅行についてまったりと書いていくつもりです。