始まりと終わりの街
「私が当主のエレナ・ウィルラベンダーよ。」
そう言って腰に手を当てて、エッヘン!と胸を張った。
「お嬢様、お下品ですよ!」
「もう、うるさいわね、じぃは。アイビーもそう思うでしょ?」
するとエレナの背後からヒョッコリとさっきの人形が出てきた。
「あっ、それってさっきの、、」
「チエルったら本当にいいリアクションするから、プフ。つい楽しくなっちゃったんだよねー!」
喋りこそしないものの、アイビーと呼ばれた緑髮の人形はカタカタとまるで同調して楽しいと言わんばかりに体を震わせた。
その様子を見でなんだかフツフツを怒りが込み上がってきた。
「申し訳ございませんチエル様。お嬢様は見ての通りマリオネットマスター、人形使いでございます。御察しの通り、チエル様を驚かせたのはお嬢様とその人形のアイビーの仕業でございます。旦那様と奥様が亡くなられてから、私の言う事も聞きてもらえず、こうしていたずらをしてしまうのです。どうか私に免じてお許し下さい。」
人形使い?!そんな魔法もあんの?
謝るロバートさんを横目に楽しそうにケラケラと笑う2人、と言っていいのかわからないけどでもまぁ結局は俺をからかってたってことか……。
これは、1発ビシッと言ってやらなくてならないな……。
俺は大きく息をつい混むとロバートさんに言った。
「いいえ、ロバートさんが謝る必要はありません。」
俺はそう言うと抱きつくログを振りほどいてエレナの前に立った。
「なによ、怖い顔して、ちょっとしたイタズラじゃない。」
悪びれもなく、口を尖らせるエレナを見て俺はプチんと何かが切れた。
「人をからかうのもいい加減にしろ!」
そして俺はエレナの頭を拳骨でゴンと殴った。
勿論十分に手加減してだ。お母さんが良く子供が悪さをした時に小突くようなそんなやつだ。
俺もよく婆ちゃんに殴られたなぁ……なんて思ってしまった。
ロバートさんはそれを見て、口をあんぐりと開けていた。
「い……いったぁぁあい!!ちょ、ちょっとアンタいきなり何すんのよ!こんな事して良いと思ってんの?!」
「そのまんま、お前にその言葉を返してやるよ。先にしてきたのはお前だし、お前こそ、そんなイタズラして楽しんで、そんなんで良いと思ってんのか?!」
「はぁ?いいに決まってるじゃない。私はこの家の当主よ!」
「じゃあなんでロバートさんは謝ってるんだよ。偉そうな事言ってる割に分からないのか?それとも、見た目どうりやっぱり頭も子供なのか?そんなんじゃ当主ところがまともな人ですらないな。それに友達もできないぞ!」
そう言うとエレナは目を真っ赤にさせて涙を溜めた。
「うるさいわね!と、友達ならこの子達がいるもん。この子達がいたら私は他に友達なんて要らないの!」
そう言ってアイビーを抱きしめる。
ロバートさんが後ろでアワアワし出した。
オリーブがそんなロバートさんをなだめにかかる。
さすが、俺の性格を分かってらっしゃる。
ログは、ニコニコしながらソファに座って、お茶を飲み始めていた。
「お前が間違った事してる時に一緒に同調して、そんな事してるのは友達なんかじゃないよ。」
そう言うと、エレナはついに目に溜めた涙をポロポロとこぼし出した。
「本当にお前の事が大事なら、一緒になってそんな事しない。お前が皆んなから嫌われてもいいなら、ロバートさんも俺に謝りなんてしない。大事な友達なんだろ?だったらお前もアイビー達を嫌われ者の人形にするな。少なくとも、俺は大切な人が皆んなから嫌われてるのは嫌だ。それに、寂しくて構って欲しかったんだろ?お前がこれからこんなイタズラしないって言ってくれなら、俺はお前の友達になってやるよ。って言っても俺も友達そんないないけど……。」
そう言い切る頃にはロバートさんも落ち着きを取り戻して、安心した表情になっていた、と思う。
エレナは俯いたまま、溢れた涙が高級そうな絨毯に染みを作っていた。
「これで仲直りしよう。俺は早々嫌いになったりしないから安心して。」
「そうアルね。ログに襲われてもこうやって許しちゃってるヤツアル。」
「それを言われると苦しいなぁ……。」
本当にコイツらは……。
俺がしゃがんでエレナの顔を覗き込むと、エレナは大声で泣きながら俺の胸に飛び込んできた。
俺はよしよしとエレナの頭を撫でてやる。
ロバートさんはなぜかハンカチで目頭を押さえていた。
そして、ちゃっかりログに加わってオリーブとダチュラもテーブルのティーセットを楽しんでいた。
……アイツら本当空気読めないよな。
まぁ、これで一件落着か?
見た感じミザリーと同じ歳ぐらいだし、ミーナさんに子守を頼まれてミザリーが悪さするたびこうして怒ってた事がこんな事に役立つなんて。
すばらくすると、少しずつエレナが落ち着いてきたようだ。
「落ち着いたか?」
俺が聞くと、エレナはギュッと俺の服を掴んで数回頷いた。
「お兄ちゃん。」
「え?」
「友達じゃなくて、お兄ちゃんになってほしい。」
お、お兄ちゃん?!
「な、なんでお兄ちゃん?!」
まさかお兄ちゃんとくるとは……。
「なんでも、お兄ちゃんがいいの。」
そう言って涙目で俺を見上げるエレナ。
もう、なんでもいいや……。
「わ、分かった。なんでも良いよ。」
そう言うとエレナはまた嬉しそうに俺に抱きついてきた。
*
「ねぇ、エレナ。そろそろ離れてくれないかな?」
テーブルを挟んで正面に座るログが見るからにイライラしている。
「は?なんで?お兄ちゃんのお膝に座るのは妹の特権でしょ?ね、お兄ちゃん!」
「ははは……そ、そうだな。」
まぁ、兄弟のいなかった俺からすればちょっと嬉しかった気もする。
でもなんでこんなに懐いてくれてるんだ?
「年下相手にそんなにカリカリするなよ、、。」
「ひどいよチエル〜〜。」
「それにしても、アンタそんなキャラだったっけ?」
「チエルの前だからに決まってるでしょ。」
「逆にそれを俺の前でいうか?」
その後も俺の膝の上を占領しつづけたエレナは、ずっと勝ち誇ったような顔でログ見続け、ログはエレナが寝室に向かうまでイライラとした時間を過ごす羽目になっていた。
ベットに入る時も一緒に来ると言ったエレナを流石にロバートさんに引き渡し、その後俺たちも寝ることになった。
「ちょ、なんでお前入ってくるの?」
俺が自分に当てられたベットに入ると、さも当たり前のようにログも俺と同じ布団の中に入ってきた。
「ダチュラもいるし、さっきはエレナに譲ったんだから今晩ぐらいいいでしょ?」
そう言って男2人と1匹には狭いベットで俺に抱きついてくる。
「ちょ、ちょ、ちょ、あんまりくっつくなよ、暑いし!……って、寝てる?!!」
信じられないことに、アイツは猛烈な力で俺に抱きついたまま、一瞬のうちにスヤスヤと寝息を立て始めた。
数分間、俺は拘束から逃げようと頑張ったがピクリとも動かないログの腕に負けて、もういいやーーと眠りについた。
俺も器がでかくなったもんだ。
*
次の日。
「か、身体中が、痛い……。」
「ご、ごめん……。」
一晩中あんなにがっつりホールドされてはろくに寝返りも打てず、朝起きれば全身寝違えで身体がバキバキしていた。
「痛くて顔が横を向けない……。逆になんでログはどこも痛くないんだよ……。」
「いやぁ、昨日は快眠も快眠で。朝起きたらチエルが僕の腕の中なんて……幸せしかなかったけどなぁ。」
「その俺はほぼ死んでるけどな。」
そう言って睨むと、ログはあはは〜と、甲斐甲斐しく俺の荷物を背負った。
「どうしたネ?もしかしてヤられちゃったアル?!ってか、ヤっちゃったアル?」
悪い顔をしてニヤニヤとオリーブが俺の方を見た。
「そんなわけないだろ?なんでそうなるんだよ!」
「俺様は時間の問題と思うデシ。」
「はぁ?!!」
「おやっ、ダチュラ君もそう思った?中々いい事言うね。もう少し詳しく話をきかせてもらえるかな?今日はいつもより良いランチを奢らせてもらうよ。」
「うひゃーデシ〜!」
「チエルったらぁ〜ウフフアル。」
「本当なんなのお前ら?わざと?わざと言ってんの?!」
と、朝からこんな感じで俺たちは街を歩いていた。
本当は朝のうちに、昨日ぐだって流れた話し合いをエレナとするはずだったんだけど、急に神都から連絡が来たとかでそれが午後に伸びたのだ。
それまで特にすることもないので、ロバートさんのススメやオリーブの誘いでこうしてボーンの街を歩きがてら今日はこっちに来るシーバル博士を待つことになった。
「てか、オリーブはこの街に来たかったんだよな。どっか回りたいとことかあるの?」
パッと見た感じ、よく見るレンガ積みの民家に、畑、商店の並ぶ中心地に奥の方に教会らしきものが見えるぐらいだ。
よっぽど神都の方が回り甲斐がありそうだけど。
「チエルはあんまり自分の村から出たことないって言ってたけど、知らないアル?まぁ、研究者にとってはここはとても貴重な場所ネ。」
「そうなんだ、、なんて無いように見えるけどなぁ。まぁ、俺はのどかで好きだけど。」
「ここボーンは別名、始まりと終わりの街。この村はこの世界を創生した神が初めて作った街、そして魔神によって終わりを迎えた街、と言われてるアル。かつて、此処はもっとたくさんの人が賑わう神都だったらしいアル。今はマザーホワイトにあるけどネ。魔神を産んだ不吉な土地として、ほとんどの人はこの地を去ったけど、一部の人はこうして残った土地に街を作って今も暮らしてるアル。研究するにはもってこいの場所だけど、なぜかこの村でそう言った行動は禁止されてるアル。」
「全然知らなかった、でもほんと、なんで何だろうな?」
「妙に場所を荒らすとまた魔神が暴れ出すって信じられてるって聞いたよ。」
「触らぬ神に祟りなしって事アル。」
「ふーん、って事は此処に魔神が封印されてる可能性もあるって事?」
「可能性としてはね。」
「こ、怖いデシ、、、、。」
「まぁ、きっと大丈夫アル。せっかく来たんだしとりあえず見て回って見たいアル。」
話して歩いてるうちに俺たちは街の奥に立つ教会前まで来ていた。
教会はこの街のちょっとした観光地になってるのか、前には小さな屋台が数台並んでいて、募金を募るシスター達もいた。
「此処も古い教会だね。」
「此処の街の建物のほとんどは修繕こそされてるけど、あの日のまま残してあるのよ。」
俺のつぶやきに教会前で屋台を開いていたおばあさんが話しかけてきた。
「この街は初めてかしら?」
「は、はぁ。」
まさか話しかけられるとは思ってなかったから、言葉にどもってしまう。
こんな所が俺のダメな所だ。
「私も初めてアル。色々見て回ってる所ネ!」
「そう、ゆっくりしていってちょうだいね。此処の教会はこの本に出てくる創生の神を信仰してお祀りしているのよ。よかったらこれも見ていってちょうだい。お土産にもどうぞ。」
そう言っておばあさんは絵本を渡してきた。
「ど、どうも……。」
押し売りのような気もしたけどその本を手に取ってみる。
何の本なんだ?
ーー白の物語。
表紙にはそう書かれていた。
子供が読みやすいようにか、表紙には綺麗にマザーホワイトの絵が書かれている。
とりあえずペラペラと中をのぞいてみることにした。
ーー昔、昔の物語。
ある1人の神様が1粒の種をまきました。
その種は長い年月をかけて成長し、やがて大きな白い木となり、雨を降らし、大地を作り、そして沢山の生物を生み出して1つの世界を作りました。
その白く美しい世界はとても平和で、沢山の笑顔で溢れていました。
しかしある時、その平和を憎む恐ろしい怪物が現れこの世界を黒い炎で焼き尽くそうとしました。
怪物は街を焼き、森を焼き、沢山の命を焼き、そして空に輝く星さえもその炎で焼き消していきました。
そして沢山の恐ろしい怪物を生み出したのです。
世界を守ろうと人々は必死に戦いましたが怪物を倒す事は出来ませんでした。
誰もがもうダメだと思った時、白い大きな木が眩く光り、3人の守護神と白く輝くもう1人の神様が現れました。
そして、4人の神様は力を合わせて何とか怪物を封印したのです。
その後、世界はまた平和を取り戻しましたがその傷跡は大きく、人々は世界を焼いた巨大な力を持つ怪物を、畏怖の念を込めて魔神と呼びました。
しかし、また怪物が現れても守護神達が白き輝きと共に現れるでしょう。
この白く美しい世界を守るために。ーー
そう言えば、前にマークルが言ってたお伽話か!
こんな話だったんだな。
子供からするとちょっと怖いかもだけど、面白く読めそうな物語じゃん。
まぁ、その魔神が本当にいるから洒落に何ないんだけどね。
「初めて読んだけど、中々良い話だね。」
俺がそう言うと、ログが俺の手から乱暴に本を取り上げておばあさんに返した。
「ちょ、ログ、。」
「こんなの真面目に読まなくて良いよ。こんな話、この世界の汚点でしかないよ。」
「何急に怒ってんだよ。」
「別に、なんでもない。」
意味がわからなくて、オリーブを見るけど首を傾げてるだけだ。
するとオリーブが、
「せっかくだから私、教会も覗いて見たいアル。」
そう言って本を返し教会に入っていった。
本当、どいつも自分勝手なんだから大変だ。
とりあえずおばあさんに謝ると、おばあさんは何も気にしてないわ、と微笑んだ。
何故だか機嫌の悪いログを引っ張って俺たちもオリーブの後を追って教会に入る。
教会の中には綺麗な歌声が響いていて、数人のエルフのシスター達に、教徒らしき人も何人かいた。
小さいけれど綺麗な教会で、オリーブは並べられた椅子に座り前に置かれている神像を1人眺めていた。
何となくだけど、寂しそうな悲しい目をしているような気がした。
「これ、さっきの物語だ。」
入ってすぐの壁に、大きな石板がかけられていて、そこにさっき読んだ絵本の物語が
刻まれていた。
「おっきいデシ。」
俺の方からダチュラも覗き込んできた。
少しすると、歌が終わり神像の前で祈りを捧げていた神父がゆっくりと立ち上がった。
そして部屋の奥から何やら箱を持ってきてそれを像の前に置いた。
「皆さん、今日もまた我々を見守り続けて下さる創生の神に感謝を捧げましょう。」
そう言って美しく輝くクリスタルを神像の手に持たせた。
ーードクン。
それを見た途端に急に胸が苦しくなって、俺はその場にしゃがみ込んだ。
「チエルッ!」
胸が苦しい、目が回る、ーー気持ち悪い。
込み上げる吐き気を手を口に当てて必死で抑える。
気づいたオリーブも慌てて俺の方にかけてきた。
……な、なんなんだ?!これは……。
なんとか顔を上げると、さっきのクリスタルが光を反射して眩しさにまた目がくらむと同時に、ついに余計に込み上げてきた吐き気に我慢できずに俺は教会の隅で吐いてしまった。
「…っ、オェッ……。」
「大丈夫アルか!?」
「チエル落ち着いて、一旦此処から離れよう。」
「チエルが死んじゃうデシ……!」
「だ、大丈夫……。」
ログが俺を抱えて立ち上がった。
シスター達が心配そうにタオルて俺を拭いたり、床を掃除し始めた。
「あ、ありがとうござい、ます。」
「診療所にお連れになった方がよろしいかと……。」
「そうします。」
さらっとログがそう言い、教会を後にする。
「この様な神聖な場所で吐くなど、汚らわしい……。」
「人の皮を被った悪魔なのでは?」
背中の方からそんな声がひそっと聞こえてきた。
それにログがピクリと反応して、そう言ったやつを睨みつけた。
…ヒイッィ!と睨まれた人が恐ろしさで尻餅をつく。
「ログッ、もういいから、吐いたのは俺だし……。」
なんとかログにそう言って、俺は意識を失った。
*
……見たことある天井。
「良かった、目が覚めたんだね。」
最近、このくだり多いな。
ゆっくり起き上がって周りを見渡すと、エレナの屋敷の様だ。
「ごめん、また迷惑かけちゃったな。」
「そんな事気にしなくていいよ。」
そう言ってログが俺をぎゅっと抱きしめた。
なんか最近スキあらばって感じだなコイツ。
「本当いきなりでビックリしたアル!」
「ごめん。なんか思ったんだけど俺、もしかして虚弱体質なのか?」
「そ、そうなんデシ?!」
いや、俺が聞きたい。
「それは大丈夫じゃろう、、。」
ゆっくりとした声が皆んなの背後から聞こえてきた。
「シーバル博士!」
「博士がチエルを看てくれたんだよ。」
「あ、ありがとうございした。」
「目が覚めて良かった良かった。身体の方はどうじゃ?」
博士はゆっくり俺の横に近づいてきて、手の脈を図り出した。
「もう今はなんともないです。それにしても、俺なんで急に……。」
今日は朝から寝違え以外は調子も良かったし、本当に心当たりがない。
「おそらく、教会にあった魔力結晶の魔力に当てられたんじゃろう。」
そういえば、神父があの石を出してきた瞬間に気分が悪くなった様な気がする。
「ログ君から聞くに、君は最近魔力コントロールの練習を始めたそうじゃな。それも探知系の魔法操作の練習と聞いたが。」
「あ、はい。まだまだ全然感知なんて出来ないんですけど……。」
「まだまだコントロールが不十分な時にいきなり強い魔力を感知してしまうと、ごく稀にその魔力に当てられてしまうことがあるんじゃ。魔力結晶は強い魔力が長い年月をかけて固まり、結晶化したものじゃ。きっとそれに当てられたんじゃろう。」
「な、なるほど。」
「つまりは、こうなったと言うことはチエルも少しずつ魔力コントロールが出来てきてるってことアル。今回はドンマイだったけど、成長があったからこその嘔吐アル!」
「チエルすごいデシ!」
「本当にチエルは頑張ってるね!」
「……なんか、素直に喜べないんだけど。」
だって俺、一応教会で吐いたんだし。
「お兄ぃちゃーーん!!」
勢いよく扉が開いて、馬鹿でかい声と一緒にエレナとアイビーが俺の所に飛び込んできた。
その勢いで頭をベットヘッドにぶつける。
「お兄ちゃん大丈夫?痛いとことかない?!」
「う、、うん。今までは……。」
「お嬢様、チエル様が困ってらっしゃいます。それにまだお目覚めしたばかりです。大声は出さないように。チエル様を困らせてしまいますよ。」
ロバートさんが慌ててエレナを引き離す。
「そ、それもそうね。……ってか、なんでログはひっついてるのよ!離れなさいよ!」
「僕はいいんだよ。ね、チエル!」
「……よくないから。」
「チ、チエル……。」
ガックリとしてログも俺から離れた。
なんとなくログとエレナの間で火花が散ってるように見えたけど、もう見ないことにした。
「そう言えば、今日はする予定の話し合いは明日に延期にする?私は別に予定がないから、お兄ちゃんが体調戻ってからでも大丈夫だけど。」
エレナがそう言うと、ログが俺にどうする?と聞いてきた。
もう別に痛いとこも、気持ち悪くもないしこれ以上迷惑もかけられない。
だから、俺はこのまま話を始めようと提案した。
長いので読み疲れたらすみません汗
そして、ぼちぼち直してるのですが、誤字などありましたらすみません。




